空き地

家の前に空き地がある。その少し先は崖だ。崖の向こうには遠く街が広がり、その背後は海。ぼくは今まで屋上でビールを飲んでいた。目の前は空き地。でも、夜だから真っ暗だ。その遠くで街の明りが瞬き、その向こうには停泊中の船の明りが見える。ぼくは空になったビールの缶を、空き地に放り投げようとした。そしてそれを思いとどまり、部屋に引き返した。ぼくはいつもこれを繰り返している。