瞳を閉じて

昨日は定休日。目覚めると9時だった。寒くてベッドから出られない。ベッドの中は温室のようにホンワカしている。ふとその時、かすかな女性の声がぼくを呼んだ。ような気がした。それはたぶん、南の海に面したフラワーパークの方角からだった。ような気がする。ぼくはベッドから這い出し、コーヒーをポットにつめ、音楽を準備し、車を南に走らせた。池田湖畔の静かな公園でコーヒーを飲みつつ、どこで昼食をとるか迷ったが、開聞山麓にある「花と香りの店」でAランチにすることにした。Aランチとはペルー風おじやとサラダとスープのセット。デザートはハイビスカスのシャーベットにした。ペルー風おじやに生のハーブを千切って入れると、気分はもう、すっかり春、なのだった。フラワーパークに着いて、まず図書館でパスポートの更新を済ませ、園内の南はしにある西洋庭園に向かった。裸足になって芝生に寝転がり、目を瞑るといろんな音が聞こえてくる。風のそよぎ、鳥の声、波の音。そして草花の匂い。目を瞑ると世界はずいぶん違ったものに感じる。ぼくは気づいた。ぼくはあまりに目に頼りすぎている。目に見えないものが目を瞑ることで見えてくる。簡単なことだった。ぼくは新鮮な感動を覚えた。花や木々の写真をたくさん撮るつもりで来たのに、カメラを構えようという気持ちは、もはや起きなかった。

“瞳を閉じて” への6件の返信

  1. スプーンさん、Aランチの内容間違ってますよー。
    ペルー風オヤジとさめダとスープー子のセット。
    デザートはハイビスカスのゆき(ちゃん)です。
    ♪ひーとみ~を閉じて 君を描くよ~♪
    今、スプーンさんが思い描いた女性は
    平井堅の様な髭をしたマスタ子。ウフ(はあと)

  2. マスターさん、だいじょうぶ?
    みんな、とっても、と~っても心配してるのよ。
    さめさんだって、ゆきちさんだって…
    またなにか変なもの食べたのかしら、って。
    いくらおなかへっても、腐ったタコとか食べちゃいけないわ。
    はやく良くなってね。
    おだいじに (はぁと)

  3. あ、そう言えば何故だかフォークではなく
    スプーンに刺さったタコ食べた・・・(汗)

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