十六夜

月曜日なので今日も休み。
昨夜は十五夜。夕焼けの中、屋上でビールを飲みながら月の出てくるのを待った。
妖しい色に染まった月がのぼってきた。
今日は十六夜。屋上でバーベキューをした。
月が出てくることなど忘れて四人の家族は肉を焼き、ビールを飲んだ。
ふいに、だれかが思い出したように言った。「あっ、今日は十五夜だよね」
「あ、そうか、今日は十五夜だったね」と、昨夜いっしょに十五夜を見た某ヨッパライが同意した。
負けたよ、キミたちには。ぼくは敗北した。
しばらくして東の空に丸い月が浮かんだ。