チョコレートをもらった彼は、おおよろこびで言った。
「ありがとう、とてもうれしいよ。君は何がほしい?」
「あ・な・た。ウフ[E:heart01]」
彼女はそう言って瞳を輝かせた。
チョコレートをもらった、しあわせなカマキリの話。
かぜ気味
ヒモに近づく
ヒモになる素質がないともいえない。今朝、ふいにそう思った。とたん、雲間から日が射すように、なにか新しい希望が見えたような気がして、にわかに胸が躍った。自分の中にある、自分でもはっきり見えない洞窟の、門番気取りの、いやらしいゴム質の何かが、老衰か栄養失調に見舞われ、枯れてきているような気がした。ぜひそうあってほしい。願わくは死んでほしい。
確かと思える何か
選んだのはChet Baker Sings. ぼくの運転する車は前の車を次々と抜きながら坂を上っていく。薩摩半島を縦走するスカイライン。今日は月曜。ぼくの定休日。そして全国的に、何の日か知らないけど休日。どうやら風邪は治ったようだ。でも、頭はぼうっとしている。ぼくは雲に近い道を何も考えず、ただ走る。道のずっと先には空がある。空は一面、薄い雲に覆われている。いい天気とはいえない。でも、気分はいい。心は晴れている。最近、ぼくの心に空は映らない。ぼくの心は空に映る。そしてそれを見ているぼく。気がつくと、ぼくはハンドルを握っている。スピーカーからChet Bakerが流れている。坂を下って、湖を半周する。そしていつもの植物園に入り、ポケットに片手を突っ込んで、草や木の間を歩く。お昼過ぎ、ぼくらは植物園の南端にある林の中の東屋で昼食をとることにした。今日の弁当は、昨日お客様から頂いたリエット、今朝お客様から頂いたドイツ風パン、妹のダンナからもらった昨日まで堤防下数メートルを元気に泳いでいたアラカブのフライ。そして、朝ぼくが点てた熱いフレンチコーヒー。ぼくのしあわせは小さいから、すぐに消える。けれど、それはたしかなしあわせ。
ほどよく不便
明日は休み。天気も良さそうなのでドライブに行く予定。まだ風邪気味なのが気になるけど、ぐっすり眠れば明日の朝には良くなっているはずだ。ドライブには音楽が欠かせない。今風の人なら、カーオーディオにiPodをつないで音楽を楽しんでいると思う。ぼくはiPodを持たないので、5年前に買ったMDプレーヤーをカーオーディオにつないでいる。MDはiPodのように一度に大量の音楽を収納することはできないから、何枚かのMDを準備し、それを取り替えながらドライブすることになる。これはカーステレオがカセットテープだったころとほぼ同じ感覚だ。iPodと比べると、カセットテープはひどく不便な代物だ。今も思い出す。お気に入りのテープを探して、ダッシュボードやカセットケースをガチャガチャかき回していたあのころ。今思えば、その不便さがドライブの楽しさの一部だったような気がしないでもない。
かぜがなおったら
かぜがなおったら
パンとリエットをバスケットに入れ、あの草原に行こう。
ぼくは乾いた草の上にシーツを広げ、ランチバスケットを置く。
ずいぶんむかし、ぼくが子供だった時に、そうしたように。
鳥の声が聞こえるだろう。むかしのままに。
壁にかかった絵が一瞬にして展開し、時間をとりもどす。
ぼくは絵の中にいるような気分になるだろう。
おやすみ~
君は渦を見たか
この世は渦であふれている。
すべては渦から始まる、といっても過言ではない。
だから渦から始まる番組も当然ある。
そう、渦は君の未来を暗示している。
渦とはそういうモノなのかもしれない。
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春よ来い
huyu
変な形
冬という字
バイバイ
冬