さっき本を読んでたら、冷たい風が、窓からすーっと吹き込んできて、背中がぞくぞくした。たぶんこの風は、数日前にフィンランドの谷あいを吹いていた風。ムーミン谷のカバたちは、きっと冬の準備にいそがしいだろうな。ぼくは手紙を書くことにした。
銀杏
Mist
昨夜は、某F少年から借りたMistという映画を見た。なかなか面白い作品だった。どこがどうおもしろいの?と聞かれても、それをうまく答えるのは難しい。一緒にこの作品を見たヨッパライ某は、見終わって一言、「ひどい映画だったね」と苦笑いした。見終わって印象に残ったのは、世界とは各個人がそれぞれに描く幻想そのものだ、ってこと。この映画では、各々が描いているその世界に、理解し難い異世界が割り込んでくる。人々は自分の信じる世界を必死に保とうとする。つじつまを合わせようとするのだ。それに失敗すると自分が崩壊してしまう(mistはまさに人の内にあって、見えるはずのものを見えなくしてしまう)。この映画は、そんな世界同士の衝突を描いているように見える。日高敏隆という動物学者が、科学は客観を扱うが、真の客観なんて、あるのだろうか、というようなことをいっている。すべてはイリュージョンじゃないか、と。しかし、その幻想世界も、ある立場からだと客観的に眺めることが可能らしい。ぼくの勘違いでなければ、聖ヴィクトルのフーゴーの言う、「全世界を異郷と思う」ことによって。それはつまり、世界という煩悩を断ち切ることに他ならない。
次のページに聖ヴィクトルのフーゴーの「全世界を異郷と思う者」のことが書かれてました。お時間のある方はどうぞ。
異国の客
mistyな雨の一日
玄関のサルガッソ
秋風
センチメンタルな夕暮れ
これもブツヨクか
サイボーズ009
残り5ページで
昨夜は遅くまで探偵ものの本を読んでいた。
深夜2時を回ったころ、ぼくは眠くなってきた。
あと5ページで完結。
しかし、ぼくはベッドにもぐりこんだ。
愛すべき探偵だったが、彼は終わり間近でぼくの手を離してしまった。