スイカモード

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天気もいいし、ぼくは霧島にボートを漕ぎに行くつもりでいたのだが、それをヨッパライ某にいうと「わたしは魚が食べたい」というので、車は山を越え、信号を左折して坊津方面へと走りはじめた。いつもならポットにコーヒーを詰めて出かけるのだが、今日は海に面した某レストランにも寄ってみよう、ということで、コーヒーの準備はしなかった。片浦にある魚料理店に着いたのが昼前だった。ぼくは地魚定食、ヨッパライ某は寿司定食を頼んだ。運ばれてきたお膳を見ると、ぼくの頼んだ分にはスイカが付いていた。
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昨日書いたとおり、ぼくはまだスイカを食べる気分になっていない。だからといって残すのももったいないので、期待せずに食べた。
うまい! そして懐かしい。
その時ぼくの中のナニかがカチッと反応した。夏だ。夏のスイッチの一つがONになった。ぼくはもっとスイカを食べたくなった。いや、食べなくてはならない。今やスイカは、ぼくのココロのご飯になったのだ。家に帰ったらさっそく箱から出し、すぐに冷やそう。
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店を後にし、食後のコーヒーを飲むために海に面した某レストランに向かった。駐車場に車を停めてドアの前に立つと、なんだか様子が違う。ドアが新しくなっている。それに、あのひどく読みにくい手作りの看板がない。どうやらリニューアル中らしい。ということは、休みなのだろうか。そういえばドアの下に「準備中」の札が落ちている。呼んでも返事がないので、デッキのほうに行ってみると、屋根に梯子がかかっている。屋根のペンキ塗りをやっているのだろうか。そうか、ペンキが切れたので買いに行ったのだろう。ぼくはそう思うことにした。
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とにかくコーヒーは飲めそうにないので、ぼくは引き返すことにした。某海浜公園でしばらく遊んだ後、車は帰路に就いた。まだ2時半だった。帰るのがいつもより早いのは、早くスイカが食べたかったからだ。
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家に帰り着くと、ぼくはスイカの入ったダンボール箱を開け、顔を出したスイカのアタマをコツコツたたき、音の低いほうを箱から取り出した。ああ、なんという美しく立派な果実。ぼくはまずその天上なるデザインを称え、撫で回し、そしてほおずりした。

夏のスイッチ

毎年今頃になるとスイカが届く。
今年も一週間前に送られてきた。
だけど、スイカの入った箱は未開封のまま。
ぼくの中の夏のスイッチがONにならないせい。
スイカは大好物だ。
でも、夏のスイッチが入らないと食べられない。

ヒッチコックな朝

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11時を少し過ぎたころだった。ぼくは午前中に発送しなくてはならないコーヒーを大急ぎで袋に詰めていた。その時電話が鳴った。「はい、○○コーヒー店です」ぼくはいつものように名乗った。だが、なぜか相手はなにも言わず、ずっと押し黙ったままだ。「もしもし、もしもし」ぼくは繰り返した。と、電話は唐突に切れた。たまにこういう電話がかかってくる。ケータイからかかって来た電話に多く、電波の具合でそうなるらしい。ぼくはカウンターに戻ってコーヒーの袋詰めを再開した。するとまた電話がかかってきた。「はい、○○コーヒー店です」だが、相手は何も言わない。さっきと同じだ。耳を澄ますと、電話の向こうで何か息遣いのような音が聞こえる。「もしもし、もしもし」ぼくは繰り返した。しかし、さっきと同様、電話は無言のまま切れた。よほど電波の状態が悪いんだろう。ぼくはそう思ってカウンターに戻った。するとまた電話が鳴り出した。「はい、○○コーヒー店です」 ……。相手は何も言わない。「もしもし、もしもし」しかし、5秒ほどたつと、やはり電話は切れた。妙だな。ぼくは思った。もしFAXなら、あの特有の信号音が聞こえるはずだ。ぼくはカウンターに戻って再び作業を開始した。また電話が鳴り出した。ぼくは怖くなった。まさか、これがあの、いわゆる「無言電話」なのだろうか。ぼくは電話に出た。「はい、○○コーヒー店です」しかし、相手は無言のままだ。耳を澄ますと、受話器の向こうで、何か奇妙な音楽が流れているような気配がある。「もしもし、もしもし」ぼくは繰り返した。数秒後、電話は切れた。ぼくは気味が悪くなって、NTTの113番に問い合わせた。故障かもしれないと思ったからだ。「さっきから無言の電話がかかってくるんですが、調べてもらえないでしょうか。できたら、かけてくる相手が誰かも」すると係りの男の人は申し訳なさそうに、「故障は調べられるのですが、相手が誰かというのは調べられないんです」と言った。じゃあよろしく、と言って電話を切った。ぼくはカウンターに戻って袋にコーヒーを詰め始めた。だれだろう。ぼくに恨みを持つものの仕業だろうか。単なる嫌がらせ? こういうことをする可能性のある人物を特定すべく、ぼくの頭はめまぐるしく回転し始めた。やがて電話が鳴り出した。
つづく
 写真は庭のアジサイ

自分が好きなものだけはわかる

白洲正子“ほんもの”の生活、という本の中で、正子さんは「目利きとはどんな人のことですか」という問いにたいして、こんなことを言っている。「一つ言っておくと、自分が目利きかどうかなど、私には関係ないことです。ただ、自分が好きなものだけはわかる。それも頑としてわかる。それだけは確かね」
これ、スティーブジョブズが言っている、好きを貫く、と同じですよね。ぼくも言ってみたいな。自分が好きなものだけはわかる。それも頑としてわかる、って。
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このブログにもタマに書き込みをされる a さんがその本を読んでいるところ

Kagoshima Rock Fest vol.2 開催のお知らせ

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「Kagoshima Rock Fest vol.2 -Super Premium Rock Show-」
■日時
2009年9月23日(水)
16:30 Open 17:00 Start
■会場
CAPARVO HALL
鹿児島市東千石町3-41 キャパルボ8F
TEL:099-227-0337
URL:http://www.caparvo.co.jp/
■出演
JET IN BOOTS(福岡・東京)
face to ace(東京)
ONE EYED TROUSER SNAKE(愛知)
JET ROCK(福岡)
トカレフ侍(熊本)
VOLCANIC AsH(鹿児島)
■料金
前売券 3000円(要1ドリンクオーダー)
当日券 3500円(要1ドリンクオーダー)
全自由席 整理番号付き
■チケット販売(5月30日)
・KRF事務局
・チケットぴあ Pコード597-428
※入場時の整理番号は、ぴあ優先となります。
■お問い合わせ先
KRF事務局 090-8764-8332
http://www.myspace.com/kagoshimarockfest
kagoshimarockfest@yahoo.co.jp

太陽の構図

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日の丸弁当は徹底的に無駄を排した究極の美学のもとに考案されているが、その奥に潜むフォースの広がりようは宇宙の闇を思わせるほどに深い。たとえばその白く輝く米粒が埋め尽くす時空の中心で太陽が燃えているという構図は今から400年前にガリレオが説いたあの宇宙観を彷彿とさせる。さて、写真の梅干は、先日伯母がくれたものだ。身内の者が言うのもなんだが、伯母の作った梅干は畏怖の念を覚えるほどにウマい。ウマい、とは、優れた音楽や絵画と同様、人を引き付ける不思議な力のひとつであって、人の場合、それを魅力と呼ぶ。太陽は目には見えぬ強大な力で地球やほかの惑星を引き寄せ運行させている。そう、この世界を運行しているのは求心力に他ならない。宇宙を支配するエントロピーに打ち勝つ力だ。というわけで梅干は常に梅干でなければならない。厚化粧して梅干に似せた梅干はすでに梅干ではない。美しさは内面から滲み出すものでなければならない。本物は自ずと引力を発生し、宇宙の運行にかかわっている。書いているうちにナニを言いたいのか分からなくなってきたので以上で終わろうと思う。ちなみにこの写真は下手な構図の見本とされる、いわゆる日の丸構図である。実は、これが言いたかっただけである。

魚肉ハンバーグな休日

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天気もいいし、風もさわやかだ。こんな休みの日には、ぬるめの温泉にでもつかって、道端の花でも見ながらポチポチ歩いて、腹が減ったら青空の下でニッスイの魚肉ハンバーグが入った弁当を広げる、みたいな一日を過ごすのが良いかもしれない。みたいな結論に達した。カメラには最近お気に入りの古いレンズをくっつけることにした。このレンズで撮ると人も風景も適当にボケてくれて、アナログっぽい写真が撮れるのである。

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まず、予定通り某温泉に到着。外湯につかって、空を見ながらぼーーっとしていると、体のほうも、「ん? 今日は休日らしいぞ。じゃあぼくもぼーっとしよ~」という感じで、ぼーっとしてくる。

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身もココロもぼーっとしてきたところで、温泉を後にし、車は山をひとつ越えて某植物園に着いた。

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園内を歩いていると、あちこちでアジサイが咲いている。
梅雨も間近だ。

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ニッスイの魚肉ハンバーグにマヨネーズをかけたのが入った弁当を広げる。ぼくがかつて日本人らしい日本人だったころ、弁当に魚肉ソーセージや魚肉ハンバーグが入っていると涙が出るほどうれしいものだった。ような気がする。

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魚肉ハンバーグ弁当を食って、園内をぶらつく。サーロインステーキクラスの贅沢な休日とはいえないが、今日もいい気分だ。

好きなことしてる?

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バイクはイイっすよ~、バイク最高。
ブツブツ言いながらバイク少年は熱いコーヒーをすすった。
だよねー、好きなことがあると楽しいよね~。写真、サイコー。
ぼくはバイク少年の写真を撮った。