安物買いの銭失い

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店の帰り、某電気店に電球を買いに行った。電球売り場に行くと、LED電球がかなり幅を利かせていたのでちょっとびっくり。価格を見ると、どれも3000円近くする。くそ、こんな高い電球、誰が買うんじゃ。とブツブツつぶやきながら、棚の隅を見ると、処分価格、198円というLED電球を発見。何でそんなに安いのかと思ってよく見ると、LED灯数12灯、白熱電灯の5W相当、長寿命20000時間、とある。ふむ、たぶん、この5W相当ちゅうのがマズイんだろう、暗すぎるからな。と勝手に納得し、まぁ198円だし、いっちょ買ってみるか、と、適当に3個つかんでかごに入れようとしたとき、緑色、いう字が目に止まった。ん?緑色。調べてみると、そこにぶら下がっている電球は緑と赤しかない。白はないのか。なかった。赤とグリーン。どこに使えばいいんだ。ま、198円だし、なんとかなるさ。

ロシュ限界

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お花畑を歩いていたら、前方23度付近に強い引力を発している白い花を発見した。それは普通の人間には感知されない特殊な引力だ。
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近づくに従い、引力は急速に強くなっていく。危険だ。しかしぼくはその力に抗うことができない。
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ぼくは花のまわりを円を描くように吸い寄せられていった。
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ここはどこ。目を開くと青い空が広がっていた。ぼくは花に埋もれて気を失っていた。

R33Returns

西の空が赤く染まる頃にやってきたのは先月末さよならを言いに来たR33男であった。九州を去り、新しい土地に着任して10日目の今日、こちらに出向いたのは必要な書類を取るためだった。
ところでブログにコメントがついてたよ。と、ぼくは言った。
え?気づかなかった。ブログの見方がよくわかんなくて。iPhoneで見てみよう。
と言って、彼はiPhoneを取り出した。
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島根の灯台

店からの帰り、お客さんの家にコーヒーを配達した。チャイムを鳴らすと、ひげを伸ばした初老の紳士が(といっても、ずいぶん若く見えるのだが)、いつものように柔和な笑顔で出迎えた。コーヒーを渡した後で、いよいよですね、と言うと、たちまち相好をくずし、ええ、今その準備中なんですよ、と言った。定年退職を迎え、近々、念願の日本一周の旅に出るのだった。一人で運転してですか、と聞くと、相手がいないからしょうがないでしょう、と白い歯を見せて笑った。奥さんはずいぶん前に亡くされていたのだった。まず、島根にある日本一高い灯台を見に行きます。それから日本海側を北上し、能登半島に行って竜飛崎まで上るんです。もしかすると北海道に渡るかもしれない。網走に友達がいるんで。
熱く語る、日に焼けた初老の男の顔を見ていたら、なぜかぼくもわくわくしてきた。島根に日本一高い灯台があるなんて知らなかったので、ぼくもそれを見たくなった。よーし、次は島根だ。灯台だ。

ノーぺル文学賞スピーチ「壁と肉」

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あつい鍋の中にお壁と肉だんごが入っていたら、とりあえずぼくは肉の側につく。しかし、肉より壁のほうがうまそうに見えた場合、ぼくは壁の側につく。どちらにせよ、いずれ口に入れるのだから、いちいち迷うのは時間の無駄でしかない。しかし、そのように無駄に見えるふるまいが文学のありようなのである。

トドメ

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研修疲れ、でしたっけ。ずいぶんくたびれたご様子でしたね。しかも、思い切って買うつもりだった念願のドリップポットが在庫切れ。トドメを刺しちゃってすんません、明日入荷予定です。

風立ちぬ

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漁港近くの食堂で日替わり定食を食べたあと、前から気になっていた「石垣群の里」というところに行ってみた。
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石垣に囲まれた家並みが傾斜地に連なり、独特の景観を作り出している。カメラをぶら下げ、細い坂道を上ったり下りたり。
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おもしろい風景に出会うたびに立ち止まり、カメラを構えるのだけど、うまく撮れない。
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今日はススキを見たいと思って車を走らせてきたのだった。海が見えるいつもの丘に登っていくと、昨日某F少年が予言したとおり、丘の手前のなんとか農園のコスモスがほぼ満開だった。風が吹くと波が寄せるように揺れるコスモス。ああ、ここに来てよかった。
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ススキはまだのようだった。暑い日が続いたせいかもしれない。
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