虚構の人たち

151027_01すくなくともラカン派的な視点から見れば、虚構と日常的現実とは、ともに「想像界」に属するという意味で、本質的な区別はありません。

斎藤環「脳は心を記述できるのか」第3信より

うまくんとお散歩

151026_04今日はどこに行ったんだい?
海の見える公園。バラが咲いてるんだ
たくさん咲いてた?
咲いてたよ、いい匂いがしてた
ふーん、ぼくも行きたかったな
いつか行けるよ
ところで明日は雨らしいね
ああ、晴れの日が何日も続いてたから
雨の日はきらいなんだ。だれもこないし
うまくんは何してるの
ずっと雨を見てる。大きな水たまりができることもあるよ
水たまりを見るのはいいね
でもたいくつだよ、ほんとに。一日が長いんだ
そうかもしれないな。雨の日はきっと思い出すよ、うまくんのこと
ほんとう?
もちろん
うれしいな、ぼくもそうする

バラの匂い

151026_05 南の公園でバラが咲いているというので出かけてみた。歩きながら一輪一輪、鼻を突っ込んで匂いをかいでいると、横からミツバチが割り込んできた151026_01 コスモスも咲いていた。バラの匂いもいいけど、コスモスがそよ風に揺れる風景はとてもいい151026_03コスモスには高い空がよく似合う151026_02

月夜

151025_01 月が明るかったので散歩に出かけた。公園を突き抜け、坂を下り、街灯のない道をとぼとぼ歩いた。月がなければ真っ暗な道。ふと、だれかが後ろにいるように感じて振り返るが、だれもいない。川に出た。川の流れる音を左手に聞きながら川を上っていく。月の光が真上から降り注いでいる。冷めた青い光。どこかで犬が吼えはじめた。この世のものとは思えぬ奇妙な声。宇宙語で話しているように聞こえる。しばらく歩くとまた川の音だけになった。ぼくは川を上っていく

江ノ島行き

151018_03 江ノ島まで1時間ちょっとのところに住んでいたことがあった。気分が滅入ったら江ノ島行きの電車に乗ればよかった。江ノ島にはなにもない。エスカレーターと灯台と植物園くらい

Cosmos

151019_04高い空を青く澄んだ空気が流れていた。つまり、雲ひとつない青空だ151019_01車を走らせるのは楽しい。もしいつか屋根のない車を買ったら、右手にハンドル、左手でカッパえびせんをかじりながら、遠くにドライブしようと思う151019_02カッパえびせんをかじるとのどが渇く。そういうわけでコーヒーも必要だ。でも、運転しながら魔法瓶のふたを開け、コーヒーを注ぐことはできない。だからとなりにコーヒーを注ぐ人を乗せる必要がある151019_05車というものはハンドルを握る者に忠実である。車が好きなのはきっとそういう理由からだ151019_03