時に流されない男

昼過ぎ、金曜日の男が豆腐を持ってやってきた。
「早いな、もう一週間経ったのか」とぼくは言った。実際、年をとったせいか、あっという間に一週間が過ぎる。
「ところでお前、ネットバイキング、やってるのか?」金曜日の男は言った。
「ああ、やってるよ、銀行に行かずに済むからな」
「あれは危険じゃないのか?」彼は怪訝な顔で言った。
そこで思い出した。彼は10年前にも同じことを言った。
ネットバイキング…

今夜のおかずは彼の作った豆腐で冷奴。
ちょっと前、テレビで、「伝説の家政婦」という人が作っていた冷奴だそうだ。
豆腐に、キュウリ、トマト、アボガドなどをのせ、粗びきのコショウ、塩、粉チーズ、オリーブオイルを振りかける。オリーブオイルの青くさい香りが意外にも豆腐にマッチするんですね

6時30分

今日から出勤時間を1時間早め、6時30分に家を出ることにした。
午前中、もっとゆとりを持って仕事をしたいと思ったから。

酔わせてくれるもの

夕暮れ時、墓地を歩いていると、灰色に沈んだ風景のなかに色鮮やかな花束が明るく浮かび上がっていて、思わず足が向くことがある。 近づいてよく見るとそれは造花だ。ほんとによくできていて苦笑いすることになる。
ぼくが花に期待しているものは何。それは命の表現。それに酔って自分を忘れたい

人を酔わせるのは命

まだ暑いけど読書の秋

もう秋だし、なにか本でも読もう、って気になった。なんでもよかったのだけど、なぜか「今頃、春樹さんは何してるのかな」みたいな気分になってネットで検索したら、一人称単数、って作品がトップに出てきた。おもしろそうだったので電子書籍版をダウンロードして読んだ。なかなかおもしろい。といってもそれはエンターテイメント的なおもしろさとはちょっと違う。ゲーテはショーペンハウアーに「カントを1ページ読むとあたかも明るい部屋に入ったような気がする」と語ったそうだけど、ぼくがこの作品集のいくつかを読んで感じたのが、この「明るい部屋に入った感じ」だった。春樹さんはそんなことを考えて書いたんじゃないんだろうけど、自分が自分と呼んでる、この自分とはいったい何なんだ、みたいなテーマが根底にあって、文章はやさしいけど戦闘モード丸出しっぽい。そしてその矛先は春樹さん自身に向けられている。どうやら春樹さんは自分と戦っているようだ。なお、明るい部屋、とは、それまでは自分がいた部屋が暗いなんて思いもしなかったのに、どこからか光が射して明るくなり、見えなかった何かがうっすら見えてくる、という感じ

血圧計デビュー

先日ヨッパライ某が近くの整形外科に行った際、血圧を測ったらずいぶん上がっていたそうだ。これまで100を超えることがなかったのに140あったという。「フッ、年のせいさ」。ぼくは冷ややかに笑った。するとめずらしく不安げな顔になって「気になるから血圧計を買ってよ」という。そんなわけで、熱帯雨林で評価が高く、かつ安いヤツをポチった。それが今日届いた。
新しい機械が届くとちょっと憂うつになる。説明書を読むのがめんどくさい。で、その要点は、安静にし、心臓の高さで測ること。さっそく測ってみると平均して下が80、上が115。たしかに上がっているが心配するほどではなさそう。ちなみにぼくは下が55、上が120だった。3年前に病院で測った数値が62と118だったので、ほとんど変わらない。

台風のあとの片づけ

朝起きてすぐ店に行った。一晩中吹き荒れた風雨で雨漏りなどしてないか気になったから。朝早かったせいか、車はほとんど走ってなかった。ドキドキしながら店に入ったが、窓ガラスは割れていず、雨漏りもなかった。水濡れを心配して窓から遠ざけておいた商品などをもとの場所に戻し、急いでわが家にUターン

わが家は庭に植えてあったジャスミンが支柱ごとぶっ倒れたほかは、大した被害はなかった。問題は強風で飛んできた草や葉っぱがベランダを埋め尽くすほど積もっていたこと。これを放っておくと雨漏りの原因になる。

掃除を終え、近くのインド料理店でランチ

家に帰って一服したあと、草や葉っぱがいっぱい貼り付いた車を水洗い。

屋上のベンチに腰掛け、流れていく雲を眺めながら缶ビールを開けた

台風の午後

いつもの時間に起きたはずなのに部屋は真っ暗だった。ぼくはまだ夢を見ているのだろうか。理由は簡単だった。昨夜、ニュースが台風のことでうるさく騒ぐので雨戸を閉めて寝たのだ。外に出ると風もなく、雨もほとんど降ってなかった。夕方には暴風圏に入るというので、ネット上に「3時に閉店します」という案内を出し、店を開けた。朝早く数人のお客さんがいらした後は猛烈にヒマだった。2時半ごろいらしたお客さんが帰られた後、閉店の準備をはじめた。ドアには臨時休業の張り紙をした。帰路はとても空いていて気分よく走れた。海の様子を見に行こうと思ったが、車が海水を浴びるのが嫌だったのでやめた

夜中にのこぎりを引く音がする

モーレツな台風が来るかもしれない、ってことで、昨夜、店の帰りにホームセンターに寄って、1800×900mmの合板を購入。車に入らなかったので真ん中で切ってもらった。

店の入り口にあるガラスを保護するため。

のこぎりでガラス枠の幅に切断、はめ込む。ガラスと合板の隙間は2cmくらい