
南の島で仕事をしている友人が、南の島から新しい話を持ってやってきた。ああ、今年も南の島に行けなかった。今年こそ、来年こそは、といつも思いつつ。
ああ、明日にでも行こう、あの島へ。そしてあそこに小屋を立てよう。壁は泥土、屋根は草葺きでいい。豆の畑は畝を九つ、蜂蜜用の巣はひとつ。その蜂たちの羽音のなかで独り暮そう。ああ、あそこなら、いつかは心も安らぐだろう
イニスフリーの湖島 イェイツ 加島祥造 訳
人生時間
午前中いらしたお客さんは、朝一番で映画を見て、その帰りに寄ったのだそうだ。何を見たんですか?ときくと、高倉健が出ているやつ、といった。ずいぶん年をとっていてびっくりした。見ないほうがよかった、と、さびしそうにいった。昼過ぎいらしたお客さんも、どういうわけか同じ話を始め、同じようなことをいった。ぼくは邦画には興味がないけど、ちょっと気になってyoutubeで予告編を見てみた。おじいさんになった高倉健がいた。夕方、twitterでつぶやいたら、ある人がそれに応えてwikipediaの人生時間という項目にリンクを張っていた。それによると人生時間とは人生を1日の時間であらわしたもので、年齢を3で割ることで算出される。30歳の人は午前10時といった具合。ぼくはおそるおそる電卓を叩いた。表示されたのは店の閉店前の時間だった。なるほど、と思った。そこでふいに高倉健のことを思い出し、電卓を叩いた。出てきた数字を見て思わず吹きだしてしまった
知らない人
フェイス・オフ
痩せましたね
店にいらっしゃった常連さんが口々に言う。
おとといまで、そんなこと一度も言われなかったのに。
実は昨日、あるものを取り替えたのだ


















