Gorgones

恐らく外は36度くらいあるのだろう。窓の向こうで景色が揺らいでいる。そんな午後、妙な霊気をまとった若き女性3人がカウンターを占めた。3人は、あたかも偶然の出会いを無邪気に喜び合っているようにみえたが、その実、それが偶然を必然に置き換える能力を悟られないためなのか、その能力に気づいてないのかは不明だった。あたりに非ユークリッド的空間の歪みを感知したぼくは本能的にバリヤを張り、防御姿勢をとった。よそ目には、カウンター越しに交わされる会話は、どこにでもある言葉の応酬にみえただろう。しかし、仕掛けはどこに隠されているか解らない。言葉の行間。目線。何気ないそぶり。いうまでもないが、イノセンスなふるまいをする相手ほど気をつけなくてはならない。初めの一歩である。

“Gorgones” への4件の返信

  1. 若き女性3人には,カウンターの向こうの世界に何を感じるのでしょうか~~
    聞いてみたい・・・。(笑)

  2. 魔の底には無邪気さがあり
    無邪気さの底には魔があるものです。
    見えすぎるその目をくり抜かれませぬよう、真夜中はご用心あそばしませ。

  3. 魔や無邪気さに底があるかについては未だ研究中なのですが、たとえば子供や子犬の無邪気さを前に、ふと、言いようのない底知れぬ不気味な気配を覚え、ゾッとすることがあります。人は無邪気さに接すると、まるで魔法にかかったように無防備になり、臆することなく命を差し出してしまう奇妙な性質を持つように思います。
    あ、用心のため、今夜からゴーグルをして寝ますからね。ウヒヒ

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