脳の整理

ヒマだったので、F氏から借りている茂木健一郎著、「脳」整理法を読んだ。F氏がせっせと茂木さんの本を買い続け、ぼくはせっせと借り続ける。茂木さんは今を時めく脳科学者。この本を読んでておもしろく思ったのは、茂木さんが、現在の科学では解明不能に思われる物理世界の不可思議な謎に、いわば文学的な手法(笑)でアプローチをかけているように見える点。たとえば、当ブログでもたまに登場するセレンディピティ。セレンディピティとは、偶然にやってくる幸運を逃さず手にする能力(だったっけ)。科学上の大発見のほとんどすべてが偶然の発見によるものなのだが、この偶然にやってくる幸運という、コントロール不可能な幸運を必然化しようという矛盾した試みを茂木さんは科学的な手法として確立しようとしている。わけないか。
必然化といっても、実際にはAを求めている過程でBという幸運を偶然手にする確率を上げようという手法なのだけど。
注) このエントリーでぼくは科学ではなく文学を述べております。
ついでに…
セレンディピティという言葉の生みの親、ウォルポールは次のようなことも言ってます。
「世界は感じるものにとっては悲劇であるが、考えるものにとっては喜劇である」