寝ぼけマナコで家を出た。
車は東向きのガケに沿って下っていく。
遠くの山々まで見渡せる、見晴らしのいい道だ。
ラジオをつけると「青春の輝き」が流れ出した。
カーペンターズ。今は亡きカレンの声。
その時にわかに雲が開け、車は朝の光に包まれた。
不意打ちを食らったように、せつない気分がこみあげてきた。時間が止まり、カレンの笑顔がフロントガラスいっぱいに広がった。
涙が出そうになった。
ぼくも年をとったようだ。
古いワインの澱が揺さぶられ、舞い上がる。
それは小さな瓶の中の出来事。
“せつない朝” への2件の返信
コメントは受け付けていません。
嗚咽・・・
泣けてきますね。
私も年に一度はカーペンターズに泣かされてしまうくちです。
先日は夕暮れ時、一人車で街を流していたら、FMから坂本九と日本人離れした某男性歌手の仮想デュエットによる「見上げてごらん夜の星を」が流れてき、坂本九の顔が夜空に浮かんできて街の明かりが滲んでしまいやばいところでした。
彼らの全盛だった当時は、単に聞き流す音楽としか思えていなかったのに・・・・
思い出に浸ってしまう年齢になってしまったという事でしょうね・・・。
「見上げてごらん夜の星を」
ぼくも夜中に車を走らせてたら、この曲がラジオでかかって泣けてきました。いったいこれはどうしたことでしょうね。自分の内側で何が起こっているのか。心の琴線がこうも敏感ではポーカーフェイスもままならず、ハードボイルドに生きていく自信が失せてしまいそうです(笑)