お客様の勧めで、藤原正彦著『国家の品格』を読んだ。
おもしろかったので、文中で紹介されている新渡戸稲造の『武士道』も読みたくなった。とりあえず、同著『世渡りの道』を持っていたので、それを先に読むことにした。ずいぶん前に買った本で、内容はまったく憶えていなかった。3分の1読んだところで、つまんない、と思った。きっと、この本を買ったときも同じ理由で最後まで読まなかったのだろう。いや、間違いなく読んでいない。今の自分がそれを物語っている。この本は3分の1を過ぎたあたりから俄然おもしろくなる。一気に読める。文中、「このような人間になってはならない」という人間像が次々に示されるのだが、それはまさにぼくである。読んでいて穴があったら入りたくなる。真実の自分の姿を知るのはこんなにも辛い。もし、この本を買ったとき、ぼくが最後まで読んでいたとしたならば…
ぼくは今よりずっとマシな人間になっていたはずなのである。
残念である。