暖かい冬

ある本の「リベラル民主主義は、とりわけ多文化的になるときは、ほかのどんな体制にもまして意思統一がむずかしい。かくしてリベラルな社会が信条に対して取るどっちつかずの姿勢は、とりわけ血気盛んな形而上学的な敵と対決する政治危機においては障害となる」というくだりで援用している次の意見がミョーに興味をそそった。
文学批評家のキャサリン・ギャラガーの示唆によれば、小説を読むことは、信条にとらわれない態度をはぐくむのにぴったりの想像力の訓練であるという。虚構と知りつつ小説を読むことは、彼女の議論では、一定の「アイロニカルな信じやすさ」を実践することと関係する、つまり、信じると同時に信じないのである。
 ————– 中略 ————–
「そうした柔軟な精神状態が」と、ギャラガーは書く—–「近代的主体では必須条件になる」と。
うーーん、 なんだか複雑な気分