風と砂と星と

いつもの珈琲を買いにいらしたお客さんと本の話になった。「今、かもめのジョナサンを読み始めたところ。完成版が出たので」と、彼は言った。なるほど、と思った。彼は旅客機のパイロットだから。作者のリチャードバックは飛行機乗りだし、以前読んだイリュージョンという作品も二人の飛行機乗りの物語だ。サンテグジュペリもそうだが、職業的飛行機乗りは独特な世界観を持っているように思う。思うにそれは宇宙的尺度の会得によるものではないだろうか