音の蜃気楼

さっきまで星空を眺めていた。うっすら雲がかかり、それは磨硝子を通したような星空だ。風はないが、かなり寒い。ふいにどこからか規則的なリズムが聞こえてきた。踏み切りの警報機の音だ。しかしこの近くには踏み切りはもとより鉄道がない。でも聞こえる。ははあ、これがうわさの銀河鉄道か。まさか。理由はそう難しくはない。寒いせいで山向こうの音が伝わってきたのだろう。宮沢賢治もこんな経験からあの作品を生み出したのかもしれない。

“音の蜃気楼” への2件の返信

  1. そういえば彼の絵に、これと同じようなのがあったような気がしますね。冬は遠くの音がよく聞こえる、といったようなのが。ちがったかな。彼の本はどこかにあるんだけど…あとで探してみよう。

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