たぶん、理科で習ったのだと思うが、その記憶によれば100m上昇するごとに気温は0.6度下がる。その理屈はよくわからない。科学的に理解しようとすれば脳がオーバーヒートし、即ち体温の上昇を招く。つまり、暑い季節には面倒なことは考えないのがスマートな生き方なのだ。粋な人間はいちいち思い悩んだりしない。というわけで、きょうは海抜1200mの避暑地、えびの高原に車を走らせることにした。ドライバーはヨッパライ某が買って出たので、ぼくはナビシートで矢沢永吉の「時間よ止まれ」などを聞きながら外の景色を眺めていた。運転は彼女に任せ、となりでかっぱえびせん等をポリポリかじる。これが男の幸せというものではなかろうかとぼくは考えている。高原は雲の中にあった。湿度が高い。車を止め、草原を歩いていくと、シカがうろうろしている。ぼくはシカとかクマとかには興味がないので、奥へと歩いていった。
そこはキャンプ場だった。その奥のひっそりした松林には連棟式ケビンという、ふとした間違いでタイムスリップしてきたような建物が名状しがたい特殊な雰囲気を醸し出しており、いささかぼくの興味をひいた。そして、思ったとおり誰も利用していなかった。
レストハウスで昼食をとったあと、白紫池を一度見てみたい、と前から思っていたので、見に行くことにした。
勾配を上りきったところに白紫池はあった。もしここに怪獣がいたら、それはビャッシーなのだろうか、とぼくは悩んだ。ぼくは白紫池を見て引き返すつもりでいたのだったが、ヨッパライ某がずんずん歩いていくので、ぼくもそのあとを追った。歩道はよく整備されていて、歩きやすかった。
坂を下ると六観音御池が右手に見えてきた。かなり大きな湖だ。もしここに怪獣が潜んでいるとすれば、それはロッシーだろうか、と考えながらぼくは一本道をひたすら歩いた。
更に歩いていくと、また上り坂になった。上りきったあたりから右手に不動池が見えてきた。
もしここに怪獣がいたら、それはいったいどんな名前だろうと思い悩んでいるうちに、池めぐりの旅は終わった。
“池めぐり” への2件の返信
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ケビンは平日は空いているんですね。テントを張って泊まったことはあるのですがめ最近ずぼらで。
この夏にここでボーットしようともくろんでいるのですが、どうなることか・・・。
梅雨が長かったせいか、どこもかしこも、コケに覆われてました。天気のいい日に泊まって、ビール片手に天体観測をしたいですね。このケビン、昭和な気分を味わいたい人にぴったり、って感じでしたよ。marutaさんにもぴったりかも。