7年後

080817_01
店の駐車場で、クマゼミが鳴いている。
今日も朝から狂ったように叫んでいる。
クマ、というだけあって、ムカツクほど声がデカい。
そのむかし、セミのいない国の学者が日本に来たとき、セミの声を聞いてこう尋ねたそうだ。
あれは何という鳥ですか。
セミがいない国で思い出したが、奄美大島にはクマゼミがいないらしい。ほんとうだろうか。ほんとうなら妙な話だ。
駐車場に植えてあるケヤキの支柱にセミの抜け殻があった。たぶん、7年前のいまごろ、ここで狂ったように鳴いていたセミの子。
7年前、ぼくは今より7才若かった。あたりまえの話だ。
今鳴いているクマゼミの子は、7年後に地上に姿を現す。
そして、そのときぼくは7つ歳を取っている。あなたも。