吹く風が心地よい。どうやら風邪が治ったようだ。風邪をひいている間は、いろんなものが硬く感じた。空気が硬く、水が硬い。硬い言葉、硬い表情。そんな硬さがイヤだったせいか、ぼくの言葉はクラゲのようになった。風邪をひいているあいだ、ぼくはぼんやりした頭でこう思った。やわらかいのが良いな、と。やわらかなものに、ゆるやかに包まれていたいな、と。開高健によれば、ルイ11世の言葉にこういうのがあるらしい。
飲むのはつめたく
寝るのはやわらかく
垂れるのはあたたかく
立つのはかたく
とにかく、今日は気分がいい。
風邪をひく前と比べ、5歳くらい若返ったような気がする。
“やわらかなもの” への2件の返信
コメントは受け付けていません。
こんにちは。
案外、風邪は「今までの疲れやストレス」をリセットする働きがあるのかも・・・なんてね。
それでは・・・。
>風邪は「今までの疲れやストレス」をリセットする働き…
たぶん、風邪をひくと、それに近いことが起きるんじゃないかと思います。フランスで言うpetite mort(小さな死)みたいなことが。小さな死とは、ナニした後の深い眠りを指すメタファーですが、病気もそれに似た面がありますもんね。大げさかもしれませんが、風邪が治った今、少し生まれ変わったように感じます。空の青さも、とっても新鮮。