微熱少年の休日

眠い目を開けて時計を見ると10時を回っていた。さっきまで変な夢を見ていたのだが思い出せなかった。カーテンを引き、窓を開けると雨が降っている。そのせいか外の景色も部屋の中も表情を失って精彩がない。まるでディックの近未来小説「アンドロイドは電気羊の夢を見るか?」の物語の中にいるようだ。10時間近く眠ったというのに頭がはっきりしない。いや、現実感が希薄なのは眠りすぎのせいかもしれないが。ここのところかなり疲れがたまっているとは感じていて、そのせいか微熱が続いていた。3年前のちょうど今頃、疲れを我慢しつづけて帯状疱疹ができてしまった。あの時の状況によく似ている。でも泥のように眠ったせいか体調はまだ完全とは言えないが微熱はなくなっていた。顔を洗い、階段を下りてダイニングに向かい、コーヒーを飲む。いつもなら気分転換を兼ねてドライブに出かけるのだが、今日は家でじっとしていることにした。ヨッパライ某がパンを買ってきてくれたので、久しぶりに自宅ランチとなった。

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