星の王子さまは砂漠に不時着した飛行士の一人称の視点で書かれている。ぼくは違う訳者による6冊の「星の王子さま」を持っているけど、そのうち5冊の語り手が「ぼく」あるいは「僕」だ。ところが先日買った倉橋由美子さん訳の星の王子さまの語り手は「私」。王子さまは他の5冊同様「ぼく」。たったこれだけのことで読んだ印象が驚くほど違う。ほかの5冊に比べ、それぞれのキャラが立ち、キャラ分けもうまくいっている。他の訳は語り手が「ぼく」で語り、対する王子さまも「ぼく」で話す。訳者としても気になるのか、語り手を「僕」、王子さまを「ぼく」と分けているものや、語り手を「ぼく」王子さまを「ボク」としているものもある。で、何が言いたいのかというと、倉橋由美子さんの訳した「星の王子さま」は、その訳し方で気になるところもあるけれど、ぼくの目には新鮮に映って、けっこう好きかも。うふ