わが家にはガラス製の小さなドレッシングシェーカーがある。これにオリーブオイルと砕いた胡椒と酢と玉ねぎをすりおろしたのと、ハーブソルトを適当に入れてシェイク。以前はスーパーで売ってる既成のドレッシングを使っていたが、それとは次元の違う味がする。伊丹十三は「女たちよ」というエッセイ集で、「既製品のドレッシングを使う人は、人間も既製品ということだ」と口をとがらせていたが、マヨネーズについても「友人のうちに遊びに行くと、奥さんが胡瓜やレタスを刻んでチューブ入りのマヨネーズをにょろにょろとかけたやつを出してくる。あれは侘しいなあ。自分の工夫が一つもない。したがって料理でも何でもない」と不平を鳴らしていた。マヨネーズも自分で作ると断然うまいのだという。そういうぼくも作ったことはないけれど。
ずいぶん昔の話だが、その伊丹十三がマヨネーズのCMを好演していてけっこう笑えた。あのころはテレビCMばかり見ていたな。