生活の記録

中学校では、毎朝「生活の記録」という日誌と、英語、漢字の書き取りノートを提出することが義務づけられていた。「生活の記録」には、勉強を何時間したか、就寝と起床の時刻を記すことが義務づけられていた。最初の頃は、就寝時刻を午前3時半から4時、起床を午前7時と正直に書いていた。勉強時間は、塾を含むと毎日9時間くらいになった。僕は担任の先生から呼び出され、「頑張るのはいいが、これでは身体を壊す。もう少し、効率的に勉強して、最低8時間は寝るようにしなさい」と言われた。僕は「はい。わかりました」と答えて、担任の先生の言うことを聞く振りをしたが、生活習慣を改めるつもりにはならなかった。
これは佐藤優さんの自伝ノンフィクション、「先生と私」の一場面。ぼくはこれを読んでいて古い記憶がよみがえり、思わず感慨にふけってしまった。ぼくも佐藤さんと同じように、中学生の頃、「生活の記録」を毎朝提出していた。そして佐藤さんと同じように担任の先生から職員室に呼び出され、職員室の常連となっていた。ぼくも最初の頃は正直に書いていた。しかし、正直に書くと決まって職員室に呼び出され、勉強の時間が少なすぎる、遊ぶ時間をもっと減らしなさい、と言われるのだった。ぼくは「はい。わかりました」と答えて、担任の先生の言うことを聞く振りをしたが、生活習慣を改めるつもりはなかった。

“生活の記録” への6件の返信

  1. 生活の記録、知らない人が意外と多く、また、ネットで検索しても、これを使ったことのある人の思い出などがまったくヒットしないので奇妙に思ってました。使っていた人に出会うととても親しみを覚えます。ちなみに、ぼくは捨てずに取ってますがよ

  2. そうですか。使っている学校とそうでない学校があるみたいですね。ぼくの中では、生活の記録は夏休みに書いていた絵日記と同様、濃い思い出に直結しています。体験したことを文字にして書き出すことで記憶は補強されるのかもしれません

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