とうふ屋の逆襲

090107_01
昼すぎ、なんの予告もなく金曜日の男が現われた。手にはいつものように豆腐の入ったビニール袋をぶら下げている。
ぼくは一瞬、今日は金曜日なのだと思った。金曜日の男は金曜日にしか現われないからだ。
「なんで今日来たんだ」
ぼくは眉間にしわを寄せ、厳しく問うた。金曜日男は黙ってニヤニヤしている。
「ははぁ、あれだな」
ぼくは思い当たった。そう、アレである。今度の日曜日ごろ、某所で行われる、なんとかマラソン。
彼はこのなんとかマラソンに毎年出場しているのだ。その調整のために、ぼくの緻密な一週間計画を思い切り無視し、自分の都合を優先して水曜日の今日、豆腐を持ってきたのである。なんとかマラソンはそんなに大事なのか。ちなみに、今思い付くだけでも当店のお客様の10名近くがこのマラソンに出場する。せっかくの休みの日にわざわざ走るとは。なんて奇特な人たちだろう。
彼の話によると、鹿児島県だけでも6000名近くが走るそうだ。鹿児島の人口は170万だから、ざっと300人に一人は走ることになる。信じられない。もしかすると、今これを読んでいるあなたも走るのかもしれない。というわけで、もし、写真の男を見かけたら、道を譲ってやってください。

“とうふ屋の逆襲” への3件の返信

  1. 走る方,そんなにいらっしゃるのですか!それじゃ来年は「チーム長島焙煎コーヒー」をつくりましょう。もちろん,スポンサーはスプーンさん。そのかわり店の名前が入ったTシャツで走る。とかなんとか(笑)

  2. こんにちは。
    marutaさんにコメントに賛同します[E:coldsweats01]
    その時は、当放送局もバックアップしますよ(笑)。
    もちろん完走後の乾杯の一杯は珈琲で・・・。
    それでは・・・。

  3. う~ん、うちの店にいらっしゃる方にマラソン人間が多いのはどーしてなんでしょうね。コーヒーとマラソンには関連性があるのでしょうか。もしそうなら、走れメロスブレンドとか作ったらケッコウ売れるかもしれません。でも、ぼくに関して言えば、今のところ、あんなに長い距離を走る気などさらさらありません(笑)

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