冬の旅

081201_03
人は思いがけず旅に出る。
昨日の朝のことだ。なんの気紛れか、突然目の前に北の魔女が現われ、微笑むと同時に一撃を食らわし、立ち去った。
あえなく冷たいコンクリートの床に沈んだぼくは、うずくまったままテンカウントを聞いた。
それが合図だった。
ぼくが旅に出たのは、その三日後である。