正午過ぎ。戸外は陽炎が立ち、ネコ一匹歩いていない。
それでも、こんなに暑いのに、お客様はいらっしゃる。
ぐったりして、目もうつろ。熱帯夜のせいかもしれない。
お客様が豆を選んでる間にBGMのCDが変わった。
「くちびるツンと、とがらせて、何かたくらむ表情は・・・」
大滝詠一の「君は天然色」
とたん、モノトーンだったお客様の表情に色が差した。
「知ってるんですか?」
「ええ、聞いたことあります」
20年以上前の曲だ。流行ったのは、彼女が中学生の頃だろうか。
彼女はどこで聞いてたのだろう。ぼくは走る車の中だった。
時々、わけもなく切なくなる。
とけたアイスクリームは元に戻らない。
“君はアイスクリーム” への4件の返信
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最近、70年代80年代の邦楽を聞いてウルウルしてます。
夏の終わりごろに聴くともうダメです。としですか?
そういう、ナイーブなお年頃なんだと思います。
微熱中年。
ほぇ?私も聞いたことありますよ~~
CMソングではなかったのでしょうか?
自信はないけど薄ぼんやり映像が浮かびますが・・・
あっ、でも私の記憶はボケボケなので違うかも(笑)
そうか、CMでしたか~。それはさびしいな。
ある晴れた夏の日の午後、二人を乗せた車は海に沿った道路を岬に向けて走っていた。
「灯台の扉が開いてることがあるんだ。運がよければ、登ることができるよ」
と、こういうシチュエーションで聞きたいね、大滝詠一は。