灰色の夕焼け

昨夜はH・フォンダの「怒りの葡萄」という映画を見た。古い映画は、たいてい白黒である。劇中、スクリーンいっぱいに夕焼けが映し出された。当然、白と黒と灰の夕焼けである。驚くほど違和感があった。ぼくはあっけなく現実世界に引戻されてしまい、気がつくと暗い部屋のソファに座っていた。想像力の貧困が原因なのだろう。ぼくの中では、夕焼けは赤くなくてはならないらしい。