ヒマだったのでF氏から借りているベストセラー2冊のうち梅田望夫著「ウェブ進化論」を読んだ。Web2.0、「ネットのあちら側」のことを書いてあるのだけど、実に興味深い内容だった。読み進んでいくうちに、グーグルがネットでやっていること、目指しているものが、いかに革命的なことなのかが次第に解ってきて、読んでてゾクゾクさせられた。グーグルの秀才連中がたくらんでいるのは、バベルの塔の再建ではないかという気さえした。人々が天に達する高塔を築き始めたとき、神は人間の僭越を憎んで人々の言葉を通じないようにした。言葉が通じなくなった人々は世界に散っていった。これがいわゆるバベルの塔である。ネットの世界には国境はもとより、垣根がない。衆知を集めれば個では成し得ないことが可能だ。世界中の衆知を瞬時に集め、精製し、秩序を見つけ、あるいは付与する。これはバベルの塔の建造を髣髴させる。グーグルはそれを目指しているように見える。もしそうなら、ノアの方舟まがいの計画も同時進行してるかもしれない。バベルの塔の完成は、ノアの方舟をも可能にする。実現の可能性のない計画のことをバベルの塔と呼ぶが、グーグル、あるいはその後進がそれをやってしまうかもしれない。そう遠くない将来、世紀の発明、続いて発見がメディアを賑わす可能性が出てきた。