お客様から借りた、大江健三郎著「新しい人の方へ」を読んだ。
その中に「うそをつかない力」という項目があって、ぼくは頭を掻きながら読んだ。
なぜ、頭を掻くのかといえば、ぼくはウソをつくのも大好きだからだ。
マジメなウソはつかないように気をつけているが、面白いウソを考えるのは止められない。
家族は、その犠牲者である。
子供たちは幼少の頃からぼくにだまされ続けたために、ぼくが本当のことを言っても信用しなくなってしまった。
そういえば、先日こういうことがあった。
夕食を囲んでるとき、息子が
「うちの担任ときたら、やたらモーレツという言葉を使うんだ。モーレツなんて、いまどき流行らないよ」
「そうか、モーレツに臭い屁が出た、とか言うのか。ところでおまえ、モーレツは流行語じゃなく、普通に使う漢字なんだぜ」
と、ここで息子はいつものように
「オヤジめ、またウソを言ってやがる」と、うんざりした顔になった。
娘が、「あら、モーレツは、ほんとに漢字だよ」と言って辞典を引っ張り出し、息子に見せた。息子は驚いていた。マヌケ。
話がそれたが、ぼくは「新しい人の方へ」を読み、小さな決心をしたのである。
「ウソをつかないでみよう」と。(本当)
“狼少年ケン” への2件の返信
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スプーンさん、それは「ウソ」じゃなくて「おふざけ」と言うんだと思いますよ。
ああ、麦の花さんの一言でぼくは救われました。
垂れこめた暗雲から一条の光が射したような。
新たな気分で「おふざけ」の創作に邁進していきたいと思います。