ペーターと狼

どういうわけだろう、いらっしゃるお客さまの顔が明るい。
明日から休みということが関係しているのかもしれない。
ぼくは笑顔に包まれて仕事をしている。
おだやかな日差しの降り注ぐ庭園で水撒きしている気分。
きらきら輝く水滴が、赤や青の蝶になって飛んでいく。
ぼくはいつのまにか口笛を吹いている。
なんの曲だろう。
ぼくは笑いたくなった。
ペーターと狼。
虹の向こうでペーターは狼を追っている。