ぼくは赤飯が好きだ。好きなだけで、特に意味はない。
ふつう、人は赤飯にゴマ塩をかけて食べる。
ノリタマがあれば、それをかけても良い。
幸せとはそういうものだ。
数日前のことだ。ぼくは赤飯にゴマ塩をかけるべく、テーブルの隅のゴマ塩の袋に手を伸ばしかけ、その手を止めた。理由はその写真にある。
「おにぎりに、こんな風にゴマが付くはずがない。となりの赤飯のアズキも然り」
ぼくはテーブルを囲んでいる家族に向かってゴマ塩袋を掲げ、宣うた。
「きっと、ゴマを一つ一つピンセットで貼り付けたに違いない」
ぼくは断言した。すると向かい側に座っていた娘が言った。
「まさか。 photo shopを使ったのよ」
もやもや
原風景
数日前、田口ランディさんのブログを読んでたら、
“ DVDで「西の魔女が死んだ」を観た ”
という記事があって、その終わりのほうに、
この映画を観ると、イギリス人のおばあちゃんがほしくなる。
あんなすてきなおばあちゃんがほしい、と私でも思う。
うちにも九十歳のばあちゃんがいるが、魔女というよりもヨーダ。
ま、これが現実だよな?。
とあり、かなりうけた。
ぼくは「西の魔女が死んだ」の映画もDVDもみてないけど、本は読んだ。そして、ランディさんの言うとおり、イギリス人のおばあちゃんがほしくなった。
ぼくの原風景が噴水のあるハーブ園であり、そしてぼくはいつもその噴水の周りをぐるぐる回っている。いつか、噴水のあるハーブ園を持つことが夢だった。
夕方、お客様がその友達の霊能者を連れて店にいらっしゃった。店にいた数名のお客様が彼の透視力?で見てもらい、あまりに具体的に言い当てるので驚いていた。閉店時間が過ぎてお客様が帰られたあと、この次いらっしゃるときに、ぼくも見てくださいね、と彼にいうと、よかったら今見てみましょうか? というので、見てもらった。ぼくしか知らない、いくつかのことを彼は言い当て、そして彼の頭に浮かんだぼく(本来)のイメージを話してくれた。それはハーブ園で土いじりをしているぼくだった。
眠れない夜
ぼくはかぜをひいている。
かぜをひいてるときは、眠るのが一番だ。
ぼくはふとんの中で、眠くなるのを待った。
それは、海辺にたたずみ、潮が満ちてくるのを待っている。
そんなイメージだ。
でも、いっこうに潮は満ちてこない。
潮騒は聞こえる。
聞こえるどころか、頭の中で渦を巻いている。
アイスクリーム
ELM
常連のお客さんが、鹿児島市の住宅街に喫茶店を開いた。名前は、珈琲館ELM(エルム)。と、いうわけで、今日はELMに珈琲を飲みに出かけることにした。オーナーの太田さんは、「とにかく喫茶店をやりたかった」のだそうで、ぼくの記憶によれば、5、6年前には照国町に適した土地を探しておられ、見つからず、2、3年前はぼくの店の近くに土地を探して見つからず、今年になって、ついに区画整理の終わった薬師(鶴丸高校のそば)に思い通りの土地を見つけられたのでした。
いつもはカウンターの席に座っている太田さんが、今日は、自分の店のカウンターの中で、いそがしそうにしている。ぼくは、ニヤニヤしながらそれを見ていたのでした。
鹿児島市 薬師2丁目289-45
099 206 4712
定休日は日曜日
カイバが気持ちよく働くとき
おとといの記事に載せた名前の分からない謎の果物は、思いがけない展開で、その正体が明らかになった。
昨日の午後、常連の某F少年がいつものように店に現われた。ぼくは謎の果物をナイフで切って彼に渡し、
「コレ、知らないよね」
と、言った。ぼくは常連のお客様がいらっしゃるたびに、こうして果物の名前を探っていたのである。
すると彼は果肉をスプーンですくいながら
「名前は分からないけど、去年、ここで食べましたよ」と言った。
ぼくはびっくりした。ぼくにはその記憶がなかったからだ。
「憶えてないんですか? ほら、Mさんからもらって…」
少しずつ記憶が蘇ってきた。そうだった、常連のMさんが自宅の庭に生ったのを持ってきてくださったのだった。ぼくはさっそく、はあぶ工房のMさんに電話してみた。こうして謎の果物は「フェイジョア」という聞きなれない植物の果実であることが判明したのである。F少年に食べさせなければ、たぶん、永遠に謎のままだったに違いない。そう、F少年の海馬は食い物の記憶に関して目覚ましい働きを見せることが改めて立証されたのである。