Nightrider

車のエンジンの音が好きなので、一人でドライブするときは、ラジオやカーステレオをつけずに走ることがある。エンジンの音を聞いていると、どこまでも走りたくなる。今日、店からの帰り道がそうだった。ぎっくり腰の後遺症で、体のあちこちがまだ痛いのだけど、走っていると、そんなことが気にならなくなる。というわけで、今から夜のドライブに出かけます。
Good night.

夜の散歩

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最後のお客さんが帰ったあと、ぼくはしばらく机に向かっていた。
世に二つとない芸術的なイラストを作成するためであった。
イラストを描き終えると、それをスキャナーで読み取り、印刷機に出力した。
作業が終わると店を閉め、近くの駅に歩いていった。
駅横の郵便局に、はがきを出すためである。
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ん?
まさか今頃、必死になって年賀状を書いてる人…
いるわけないよね。
ははは

Starry Night

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北風が吹きすさぶ、こんなに寒い夜に、オレはいったい何をしているのか。
結局、意図する写真は撮れなかった。
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ビールでも飲んで、寝ることにしよう。
Good night

クリスマスと冬至

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お客さんがこんな話をした。それがだれだったか、どうしても思い出せない。もしかすると、あなただったかもしれない。それは、こんな話だった。
「クリスマスが来ても、いつもと違うような、フワフワした特別な感じがしなくなってきた。たぶん、歳をとってきたせいなんだろうね」
それを聞いて、ぼくはハッとした。意外にも、ぼくはそうじゃない。その時気づいたのだが、逆に、前よりずっと、感慨深くクリスマスを迎えている。理由はわかっている。「冬至」のせいだ。ぼくの冬至への思いは年々募っている。ぼくにはこういう予感がある。いつかきっと北欧に出かけ、冬至祭に行く。

海辺の別荘

Interior
昼メシを食ったあと、部屋の雨戸を閉め切って映画を見た。見たのは、ウッディ・アレンの「インテリア」と、ジョシュ・ハートネット主演の「ラッキーナンバー7」
いや~、映画って本当にいいですねー。
さよなら、さよなら、さよなら
と、いうわけで、どちらもおもしろかったです。
特に「インテリア」は映像が美しく、最初から最後まで一貫した静かな緊張感があって、まるで画廊にかかった一枚の絵を眺めているような、落ち着いた完成度を感じさせる作品でした。
(ダイアン・キートン、ええな)
上の写真はインテリアの冒頭に出てくる海辺の別荘から見た風景。
ぼくも海辺の別荘が欲しいぞよ。だれかくれ

日はまた昇る

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ぼくは毎朝ラジオを聞きながら通勤している。先日、いつものように某国営放送のラジオビタミンという番組を聞いてたら、「陰暦で暮らそう」というコーナーで、ゲストの某作家がおもしろいことを言った。柚子湯に使うユズの実は、太陽を表しているんじゃないか、というのだ。冗談っぽく話していたのだけど、「柚子湯=湯治湯」説なんかよりずっと説得力があるように思えた。北欧の冬至祭は太陽の復活を祝う祭りだ。高緯度の土地では冬に向けて次第に昼が短くなり、ついには太陽が昇らなくなる。このまま二度と太陽が昇らなかったら…。太陽系という概念を持たなかった昔の人たちは、きっと本気で心配したことだろう。と、いうわけで、ぼくは「新説・柚子湯」に従い、太陽に見立てた、ま~るいユズの実を湯舟にポッカリ浮かべ、エンヤの「And Winter Came」でもかけながら、のんびり湯に浸かろうと思うのであった。プカプカたくさん浮かべたいゴージャス系の方には、ニーノ・ロータの「太陽がいっぱい」あたりがよろしいかと。
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本を読むのに何よりもたいせつなこと

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ぼくはメシを食うのは速いが、本を読むスピードがヒジョーに遅い。
ぼくはこれを、自分の欠点だと思っていた。
でも、今読んでいる本に、こんなことが書いてあった。
本を読むのに、何よりもたいせつなことは、
ゆっくり読むということである。
 エミイル・ファゲ
え~? ほんとーに?
なんだかうれしいなぁ。

ぼくの中の焚火

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ぼくはいつも焚火をしている。
ぼくは燃えるものを見つけて、それを投げ込む。
一瞬、火は猛って、あたりを煌々と照らす。
燃えるものがなくなると、ぼくは探しにいく。
いつか燃えるものがなくなって、焚火は終わる。

ぼくが北極に行く理由

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カサブランカ、きれいだね。
ぼくはワイングラスを置いた。
そうかしら。
彼女は言った。
わたしはあなたが好きな花を知ってるわ。
流れていた音楽が唐突に終わり、テーブルは静寂に包まれた。
ぼくは彼女の目を見つめたまま、閉じた唇がふたたび開くのを待った。
 ぼくの 好きな 花
その言葉をぼくは子どもの頃からずっと待っていたような気がする。まるでそれが魔法を解く呪文であるかのように。なぜなら、ぼくには好きな花がない。
音楽が流れだした。ずいぶん古い曲だ。キャメルのブレスレス。
でもね、その花は簡単には見つからないの。
彼女は少し悲しそうに言った。
だって北極の氷の上に咲いているんだもの。
信じる?
もちろん。
残ったワインを飲み干してぼくは席を立ち、彼女も席を立った。