ぼくはこの体に寄生している。時々ぼくは、この体がかわいそうになる。ぼくのわがままゆえに、今日もコンクリートの箱に閉じ込められて真っ黒な苦い水を飲まされている。かわいそうな体。そこで今日、ぼくはこの哀れな体を操って・・・右足と左足を交互に動かして階段を上り、屋上に出て・・・遠く広がる空を見せてやった。体はなんと感じていることか。街の小さな動物園のラクダがそうするように空の彼方を見つめ、遠いふるさとを思い出そうとする。
寒い朝と熱いコーヒー
ふゆがきた
スナフキンは南に旅立った。
雨の日はバラ園で会いましょう
R32的悩み
夕日のあたる店
tactics
時には甘い風呂もいい
店の屋上農園にコーヒー粕を捨てに行った。コーヒー粕は上質の肥料になるらしい。階段を駆け上がって屋上に出ると、農園の管理人が野菜の世話をしていた。粕を畑に撒き、帰ろうとすると、「靴箱の上にもらった入浴剤がたくさんあるから持って行け」という。階段を下り、踊り場の靴箱を見ると、紙の手提げバッグが置いてある。これか、と中を見ると、お汁粉のパックがたくさん入っていた。管理人は汁粉を風呂に入れるつもりらしい。ぼくは紙バッグを元に戻し、何も持たずに階段を下りた。はたして汁粉の風呂はどんな具合だったろう。
青シート
ときどき公園などに花の写真を撮りに行く。花が一面に咲いている風景は、とてもいいものだ。きれいな花が咲いているところを見つけ、カメラを構えると、花の向こうにケバケバしい青が見える。おばさんたちが青シートを広げて弁当を食っているのだ。弁当を食うのはかまわない。でも、できたら青シートはやめて欲しい。(希望)
おもしろうてやがて悲しき
目の奥が痛いのは古いフィルムを見すぎたせい。古いものはもう古い。はじめのうちは懐かしく、おもしろかったのだけど、だんだん妙にさびしく、悲しくなってきた。男心は複雑だ。そして今、いっそ、フィルムも日記も、全部ゴミ袋に詰めて捨ててしまおう、という気になっている。