焙煎機のドラムを回すモーターが壊れた。数日前からひどい音がし始めていたのだ。今朝は5種類の珈琲豆を焼いたのだけど、その最後の豆を焼き終えたところで動かなくなった。豆を焼いている最中でなくて本当に良かった。豆を焼いている時、モーターが異常に熱くなっているのに気づき、湿らせた布巾で冷やしながら豆を焼き続けた。最後の豆を焼き終え、ほっとして布巾を取った時、モーターは停止した。完全に焼きついていて、手で回そうとしてもピクリとも動かなかった。モーターは機械だから心はないけれど、ぼくは親しい友を失ったような、センチな気分になった。
替わりのモーターは明日届く。ぼくは古いモーターのことなどすぐに忘れ、いつものように珈琲豆を焼き続けるだろう。
夜の散歩
今日も忙しかった。へとへとだ。早く帰ってご飯を食べたい。
でも、アレをしなくちゃ。
ぼくは今日中にアレを出すと決めたんだ。
ぼくは机に向かい、アレをはじめた。
アイデアをひねる。ひねる。
でも、いい案は浮かばない。
浮かばない。
浮かばない。
ちょっと浮かんできた。
浮かんできた。
ヨーシ、それで行こう。
ぼくはパソコンに向かった。
マウス、ゴシゴシ
キーボード、カチャカチャ…
でけた!
プリンタがうなりをあげる。ガガガガ
終わった。
ぼくはそれを持って、某駅ビルに歩き始めた。テクテク
コンビニの前ではサンタクロースの格好をしたネーチャンが必死にケーキを売っていた。
レーザープリンタの逆襲
ぼくは印刷機が嫌いだ。なぜなら毎年この時期になると壊れるからだ。そろそろ年賀はがきを印刷しなくては、と思い、とりあえず宛名面だけでも印刷しておこうと考えた。ぼくが使っているのは安物のレーザープリンタ。はがきをセットし、いつものように印刷を開始した。とたん、印刷機が変な声で唸りはじめ、思い切りズレて印字し始めた。うおお~っ、ぼくはあわてて止めようとしたものの、どうしていいか分からず、じたばたしているうちに10枚近くがパーになった。むかー、なんてヤツだ。ぼくはアタマにきた。ふつうの人ならハンマーでブッたたくところだろう。だが、沈着冷静が売りのぼくはそんなことはしない。つまり、原因はなんだろう、と、考える人モードになったのである。フタを開け、とりあえずゴムローラー付近を湿らせた布でこすり始めた。みるみる布が真っ黒になってきた。ふっ、ワトソン君、原因はこれだよ。ぼくは得意になってローラーをゴシゴシやり始めた。すると、ポロッ、とローラーが取れた。ぎょえ~! ぼくはあせった。今壊れてもらったら死ぬほど困るのだ。だが、よく見ると、もともと外れるようになっていたのだった。ホッとすると同時に、やり場のない怒りが湧いてきた。機械の分際でオレをおちょくっているのか。ぼくはブツブツ言いながら、ローラーを元通りにし、フタを閉じた。恐る恐る印刷してみると…。パーフェクトであった。ふっ、オレって天才かも。
みかん色の太陽
今日は冬至。というわけで、当家でも柚子湯をすることにした。柚子湯なのだから、当然、ユズを入れるかというと、わが家は違う。「新説・柚子湯」に従い、太陽に見立てた黄色いミカンを浮かべた。つまり、丸くて黄色くて水に浮かべば何でもよい、という理屈。しかし、残念ながらフツーのミカンは香りがヨワイ。ユズのような、いい香りがしない。つまり、ちょっとさびしい。そこで一計を案じ、柑橘系の香水、tacticsを補助的に用いることにした。そこまでするのなら、はじめからユズを使えばいいのだが、買ってくるのを忘れたのだった。
照明にろうそくを用いるといっそう気分が出る。ような気がする。
インディジョーンズ的休日その5
自宅周辺の探検はまだ続いている。今日はふれあいスポーツランドの一番奥の道を下りてみた。下りきってみると、そこは田んぼだった。大きな水路があって、きれいな水が流れている。ぼくは水路を上流にたどっていった。しばらく歩くと平地は終わり、山の入り口にさしかかった。水路は山の崖に吸い込まれ、道は山の中へ入り込んでいった。
道の左手になにか看板がある。旧伊作街道。ぼくはびっくりした。この道は吹上浜に行く時に通る、あの伊作街道の旧バージョンなのか? ここを上っていけば、旧伊作峠にたどり着き、もしかするとそこからは海が見えるかもしれない。ぼくは急にわくわくしてきた。ぼくはどんどん上っていった。道は高木に覆われ、かなり暗い。交通量は、まったくない。今日はぼくの貸切らしい。
どれくらい歩いただろう。そろそろ峠になってもいいんじゃないか、と思い始めたころ、某電力会社の変電所が見えてきた。それを右手に見ながらさらに上っていくと大きく視界が開け、広い道路に出た。しかし、車が走っていない。その道を右に上ったところが変電所のようだ。ぼくは道を下っていった。
すると車の往来する騒音が聞こえ始め、やがて道路が見えてきた。道路に出てみると、ちょうどバス停があって、「平治」と書いてある。これはいったいどの辺なんだろう。伊作峠でないことは確かだ。ぼくはがっかりした。ぼくは引き返すことにした。
家に帰り着いて地図で調べてみると、伊作峠は「平治」のバス停からほんの少し上ったところだった。いずれにせよ、そこはぼくが頭に描いた、海の見える旧伊作峠ではなかった。
大きな地図で見る
もうねます
忙しい日が続いてます。やっと今、夕食を食べて風呂に入って、ほっとしている。書きたいことは山ほどあるんですが、もう寝ます。昨夜はほとんど寝てないし。
コメントの返事も明日します。よろぴく
Think
一日に3回も違う人から、
「あなた、考えすぎですよ」
といわれると、日頃あまり考えないぼくでも考え込んでしまう。
そうかな、ぼくって、考えすぎなのかな。う~ん
自分では分からないわけですよ、
他の人に比べて考えすぎなのかどうか。
というわけで、考えすぎ、って、どういう事なのか、ちょっと考えてみたんですが、それは例えばこういう事なんでしょうか。
10円玉をピーンってはじいて、裏か表か考える。
裏だろう…いや、表だ。うんにゃ、裏に違いない。
ふん、そんなことは考えても無駄だ、と、ぼくは考えるわけです。
だから考えないことにするわけですね。これ、考えすぎでしょうか。
渚にて
左23度に軌道修正します
霧で霞む泥の沼を低空飛行していると前方正面に何か見えてきた。
それは暗い灰色に黄土色が混じった枯れ木の森のようだった。
ぼくは左23度に軌道修正することにした。
特にあてがあるわけでもなく、右でも左でも構わなかったのだけど。
近づくに従い、それは枯れ木ではなく巨大な生物の骨であることがわかった。