壁を抜けようとする男たち

村上さんと福岡ハカセには共通点があるんだよね。とか急にもったいぶったことを書きたくなる年頃なわけですよ、秋だし。で、それはなにか、つーと、二人とも自分というツールを総動員して普遍性を追求しているのである。とか怪しく断言してみるわけですが、では、その普遍性とはなにか、というと、それは命なんですね。福岡ハカセはまさにそのまんま、生命を探求している。村上さんは例のスピーチ「壁と卵」で、私は常に卵側に立つ、と言っている一方、某雑誌のインタビューで「壁抜け」のワザを披露している。その壁とはなにか。彼自身、システムと言い換えているけど、いまひとつイメージしにくい。ぼくにはあるイメージがボンヤリと浮かんでいるのですが、そのイメージにピッタンコな漫画を、たまたまそのインタビューを載せた雑誌に見つけました。いい漫画だな~。こういう漫画、あるんですね。村上さんが一人称で書いてたころ、物語の主人公に名前がないことがあったんだけど、それは、名前を付けたとたん、それがシステムに組み込まれてしまうからでしょうね。自由への飽くなき希求がそこにも表れているように見えます。で、この漫画の場合、描かれてるのはイヌ、というシステムです。環世界的に人が勝手にそう決めたんですね。便利だから。この漫画をもっと見たい方は「考える人」夏号を買ってください。
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たとえ月が二つだったとしても

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目が悪いので月がぼけて見える。
本当は小さな月がもう一つあるのかもしれない。
近くの公園に行って、すべり台の上から見るとそれが見えるかもしれない。
でも、夜も遅いし、もう寝ることにしよう。

秋のファンファーレ

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彼岸花が一斉に咲き始めた。
鳴り渡る金管楽器、ティンパニの連打。
まるで世界の終わりを告げるように。
いつかどこかで聞いた。
ヤナーチェクの

クズの逆襲

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わが家の前は空き地だ。宅地として造成されたが、面していた崖がその年の記録的豪雨で崩れ、許可が取り消された。空き地をほうっておくと草が生える。植えなくても勝手に生える。生えて生えて生えまくる。つまり、そんなわけで家の前の空き地は今では何百種類もの雑草がその勢力を拡大すべくひしめいているのだった。その最前線で派手に猛威を振るっているのが蔓性植物のクズである。
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クズを知らない人もいるかもしれない。ちょうど今頃、甘い匂いのする紫の花を咲かせている。根はデンプンを含み、周皮を取り除いたものを葛根と称し、葛根湯の主原料となる。数年前のことだが、近所のNさんはフェンスを越えて歩道に進出してきたクズに足を取られ、転んで手を骨折した。一見、クズに悪意はなかったように見える。しかし、ぼくは知っている。映画で見たことがあるのだ。蔓性植物のいくつかは人を襲う。だからけっしてこいつらの前で悪口を言ってはいけない。「このクズが!」とか。そう、気をつけるに越したことはない。

イスの大きさ

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何度読んでも飽きない本ってあるよね。ぼくの場合、それはたとえばレイ ブラッドベリの火星年代記。なぜそれを手に取りたくなるのか。ぼくは社会的な存在としての自分と宇宙的存在としての自分の区別があいまいになって居心地が悪くなったときに、いつの間にか火星年代記を手にしている。自分ってやつはつくづく厄介だ。ほったらかしにしていると、いつの間にかどこかにいってしまう。

これは 福岡伸一ハカセが何かの本に書いていたPowers of Ten.
まさかyoutubeで見れるとは…

お写真の時間です

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夕方、いつものK氏が、モカが切れた、とコーヒーを買いに来た。今日も仕事なんだという。写真は愛用のiPhoneをグリグリしているところ。
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彼が帰ると仕事男がやってきた。近くの現場で仕事を終えた帰りだという。彼のためにコーヒーをいれようとしていると、彼と同じギョーカイのOさんがやってきた。ぼくは彼女と仕事男がギョーカイの話しをしているところを写真に撮った。
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写真を撮りながら「ぼくが撮ってもらった写真は、いつも怒った顔をしてるんだ」と彼女に言うと、不思議そうな顔をしたので、「じゃあ、撮ってみる?」といって彼女にカメラを渡した。
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彼女に撮ってもらった写真はピンボケだったけど、怒ってなかった。彼女には人物写真を撮る才能があると思った。
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仕事男も自分のカメラを取り出し、ぼくや、彼女が写真を撮っているところを写し始めた。
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女性がカメラを構えている姿ってセクシー。かも
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古い35mmレンズで

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朝、庭に出て睡蓮を撮った。夜中に雨が降ったようだ。
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散髪に行った。まだ開いてなかったので、窓からこちらを窺っている猫を撮った。
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弊店間際にやってきたK氏を撮った。

タイムスリップレンズ

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学生時代、アルバイトをして買ったレンズを書棚の奥から引っ張り出し、今使っているカメラにくっつけてみた。なぜそんなことをする気になったかというと、今日読んだカメラ雑誌に、レンズは古いほど味わいがある、みたいな事が書かれていたからだ。で、さっそくそれで撮ってみた。
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なんというか、古色を帯びた写真が撮れる。新しいものも古く見える。タイムスリップレンズだ。これはおもしろい。明日が楽しみ。