星空を眺めていると自然に疑問が湧いてくる。なぜだろう。イヌやネコは、星空を見て不思議な気持ちになるのだろうか。ぼくはいつも知らない何者かに問いかけられている。でも答えることができない。いつかぼくが問うのをやめ、問いかけられることもなくなるとき、ぼくはすべてにとけてしまって消えていると思う
THE END
夏色の思い出
思い出だけでは生きていけない。でも思い出のない人生はさびしい。暑い夏。ぼくは汗をかきながら坂を上る。冷たい水。海に沈む夕日。喜びも悲しみも、ぼくが思い出の主人公
フィヨルドに一人
彼は今ごろホテルのバーでビールを飲んでいるかもしれない。
今日、彼は歩いて山を登り、眼下に広がる広大なフィヨルドを見渡したはず。
数ヶ月前、ぼくは彼とコーヒーを飲みながらつぶやいた。
いつか北欧に行きたいな。フィンランドかノルウェーに。
ふーん、北欧ですか。いいですね、と彼は言った
キュリオシティ
インディジョーンズ的休日その7
新しい靴の性能を試すべく旧伊作街道を峠に向かって歩き始めた。暑くなりそうなので、水筒を持っていくか迷ったのだが、めんどうだったので家を出る時に水をたくさん飲んで出た。しかし、歩き始めて2時間もしないうちにのどが渇いてきた。旧伊作街道は今ではほとんど人通りがない。歩いている人はまずいない。そんなところにコーラの自動販売機があるはずがない。
自動販売機はないが、山水が土手から流れ出している。両手ですくって口に入れると、驚くほど冷たい。透き通った味だった。
いつもは道をまっすぐ上って伊作峠に行くのだが、今回は途中で右に曲がってみた。どこに続いているのかわからないが、国境を越えてトラブルが発生する危険はなさそうだ。
秋は足早に近づいている。待ってくれ、といいたいが、聞いてくれるはずもない。
しばらく坂を上り、そして長い坂を下っていくと、前回の探検で通った道に出た。その道を進んでいくと、三重野という人里に出る。
黒い雲が立ち込めてきて、ついに雨が降り出した、道路に張り出した枝の下で雨が止むのを待ったが、なかなか止まず、びしょぬれになった。新しい靴も濡れてしまった
家に帰りつき、ソファで横になってたら、いつの間にか寝てしまった。夕食後、みんなで花火をした。夏も残り少ない
夏の頭は感じやすい
その昔、新潮文庫の広告に「インテリげんちゃんの夏やすみ」というのがあって、そのコピーのうまさに唸った記憶があります。その10年後に出た「夏の頭は感じやすい」というコピーも秀逸ですね。いずれも糸井重里氏の作品。きっと糸井さんは夏が大好きなんでしょう。夏への思い入れがコピーににじみ出てますから。ところで「夏の頭は感じやすい」というコピー、夏が嫌いな人には逆に思えるかもしれません。ぼくはまったく同感なのですけど。最近、お客さんからお借りして読み始めた本が2冊あるのですが、どちらも夏の頭向きの本だなー、と感じてます。タイムリーに貸してくださったお二人に感謝!