限りなく透明に近いボクに

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日野原重明さんの「生き方上手」という本を読んでたら、次のようなエピソードがでてきて、なるほどな、と思った。希望というのは、こういうことなのかもしれない。知ること、分かることで自分が次第に透明化していくこと。

禅の大家であり長年アメリカに住んでいらした鈴木大拙師の主治医を、私は先生が90歳のときからご臨終までの6年間務めました。先生は80代半ばに帰国される際、岡村美穂子さんという20代の日系二世の秘書を伴われましたが、ある日、岡村さんにこうおっしゃいました。
「きみ、長生きはしたまえよ。90歳にならないとわからないことがあるからね」と。

熱帯夜

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蒸暑い夜 → 氷の浮かんだ琥珀色の水が飲みたくなる →

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→ できたら涼しげな音楽があるといい。音が良ければもっといい

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→ というわけで、いつの間にか、いつものジャズ喫茶のカウンターに座っている →

ゲゲゲ

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夜、屋上で星を眺めながら涼んでいたら、ゲゲゲ、という、ケモノの声が聞こえてきた。家の前に畑があるので、きっとタヌキかアナグマが発情して変な声を出しているんだろう、と思った。ゲゲゲはすごいスピードで移動しており、こちらに向かってくる。ぼくは家の屋上にいるので、当然、ヤツはここに来ることはできない。次の瞬間、ぼくのすぐ右横を大音量のゲゲゲ声が通り過ぎて行った。姿は見えなかった。ものすごくびっくりした

あのとき君は

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あのとき君は真剣な顔で言った。明けないツユはない、明けない夜がないようにね、と。ぼくにはそれが含蓄のある重要な言葉に聞こえた。紙に書いてトイレに貼っておこうとさえ思った。でも、今は違う

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ツユが明けるとクラゲだって空を飛ぶんだ。あのとき君は青い空を見上げ、真剣な顔でそう言ったね。ぼくはおどろいて返す言葉もなかった。ただ、なんて美しい詩なんだろう、と、心から感心していた。でも今は違う

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ツユの明けた夜、ぼくは久しぶりに星を見ながらビールを飲んだ。君は思わないかい? 人生に酔えなきゃ、つまらない

孤独の発明

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おもしろそうな題名に惹かれて購入したものの、読まずにほったらかしている本がたくさんある。そんな中から、なぜか、今読むべき本のような気がして、ポールオースターの「孤独の発明」を手にとった。それはポールオースターが亡き父親の実像を求めて回顧、苦闘する自伝的作品。ぼくは近頃よく思う。果たしてぼくは親、兄弟、配偶者、子供、親友らの実像をつかんでいるだろうか。勝手に作り上げた虚像と格闘していやしないか。むなしい一人芝居を演じて満足しているのでは? 孤独の発明とは言い得て妙だ