ぼくらは川沿いの歩道を歩いていた。
桜が満開。
川風が君の髪を乱し、花びらを散らす。
君が好きな三月も今日までだね。
え? あたし三月が好きだなんて言ったことないけど
以前、店にちょくちょくきてコーヒーを飲んでいた女の子が久しぶりにやってきた。当時は学生だったが、今はOLとのこと。何か話があるそぶりだったので聞いてみると、当時、家庭教師をしていた学生から切実な相談を受け、どう答えていいかわからず悩んでいるのだという。それは「生きている意味がわからない」みたいなことらしい。なるほど。今度はぼくが悩む番だった。ぼくが同様な悩みにとらわれ、うまく脱出できた経験の持ち主であれば何かヒントになるようなことが言えるのだろうけど。
とりあえずぼくは言った。相手を食事に誘ってみてはどうだろう。一緒に何か食べながら話してみたら。
大切な相手とは一緒に時間をかけて食事をする。ぼくにとっては意味のあるひと時