眠れるぼくのスイカ
気がついたら
あさのあいさつ
冷蔵庫の時間
一番好きな電化製品が冷蔵庫であることに変わりはない。冷蔵庫はぼくのアイデンティティーの重要な部分に関わっている。その冷蔵庫にスイカが一個入っている。それは数週間前、宅急便で送られてきた。ぼくはスイカが好きだ。いや、好きというより愛しているといった方が近い。なぜならぼくは今、スイカを憎んでいるからだ。スイカは好きだ。でも食べたくない時がある。今の時期がそうだ。原因は常にぼくにあってスイカに非はない。ぼくは苦しみ、スイカの存在を憎む。そんな時、冷蔵庫はぼくに束の間の安らぎを与えてくれる。しかし、その平安を幸せと呼ぶのは間違っている。冷蔵庫は人を幸せにはしないものなのだ。
to you
答えはアンダースタンド
豆腐屋はかく語りき
金曜日の男は壁にもたれかかり、こう語った。
「うちの店も宣伝しっくれよ」
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夜の水道工事
今から30分ほど前の話である。庭の植物に水をやろうと、屋外の水道からジョウロに水を注いでいた。空では満月に少し足りない月がぼくを見下ろしていた。満タンになったので蛇口のハンドルを右に回した。が、どうしたことか右に回らない。力を込めて回すがビクともしない。水はジョウロからあふれ出し、みる間にあたりは水浸しになった。ぼくはあわてて門のそばにある水道の元栓に走り、土をかぶったふたを開け、手探りでハンドルを探し出し、ひねろうとしたが、これがなかなか回らない。やっとの思いで水を止め、蛇口の修理に取り掛かった。カバーナットを外し、コマを取り出す。なんと、コマのパッキンを留めている小さなナットが外れ、それがコマに挟まって動きを止めていたのだった。コマのナットを締めなおし、カバーナットをかぶせて作業終了。やれやれ、こんな作業を寝る前にすることになるとは。おやすみ