あるSF小説の作者の名前が思い出せなかった。ぼくは粘った。一時間以上、思い出そうと頑張った。いつもなら30分もあれば思い出すのだけど。年のせいなのだろうか。そうか、ついにその時がやってきたのか。ぼくは少なからずショックを受けた。敗北感にうなだれつつGoogleで調べた。全然知らない変な名前だった。
風が吹いているだけ
今日
ブツに染み入る過去の記憶
今から記憶の話をしようと思っていながら、その話の記憶が定かでない。そのハナシとは多分こうである。長い時間使ってきたブツを捨てると、それにまつわる記憶も消えてしまう、というもの。だから何でも潔く捨てていると、思い出までも消えてしまう。使わないものは場所塞ぎになるだけなので捨てる、というのは理に適っているように見える。でも、人間は目的を持って生み出される機械のように合理的な存在ではない。10から1を引けば9になるとは限らない。0になることもある。さて、今のぼくを成しているのは良くも悪くも過去の記憶だ。そう思っているので、ぼくは記憶に関して、かなりケチである。ぼくは長く使った物を捨てる際、その写真を撮っておく。ぼくを取り巻いていた環境の写真も撮っておく。それが記憶のインデックスになるから。一枚の古びた写真が、忘れていた記憶をありありと引き出すことがある。その記憶にどれだけの価値があるかは分からない。とか書いているうちに眠くなってきたので、もう寝ます
fin
どこまでも行こう
7年後
7年後。髪はまだ生えているだろうか。まずそう思った。
グラスホッパーの独り言
ハマゴウ
フールオンザビル
屋上のペントハウス部分から雨漏りがしている、ということで、昨日、ぼくが仕事に行っている間にハウスメーカーの人がペントハウスを青シートで覆っていった。仕事から帰宅し、台風が来る前に屋上のテーブルやプランターを片付けるべく屋上に出ようとしたらドアが開かない。シートでふさがれていたのだ。
外は横殴りの雨。近くで雷も鳴っている。水中眼鏡で武装し、梯子をかけてよじ登る。テーブルを裏返したり、プランターを退避させていると、急に風雨が強くなってきた。シートが風にはためいて破れ始めた。すごい風だ。雷も近くでゴロゴロ鳴っている。なぜかウキウキしてきて、もうしばらく遊んでいようと思ったが、もし雷に打たれでもしたら、ああ、やっぱりね。あの人らしいわ。と思われるのは目に見えている。それだけは避けたかったので降りることにした。











