昨年末、ぼくはある決断をした。もう年賀状は書かないぞ、と。理由はいろいろあったが、そのどれもが子どもじみていて、このような重大な決断を下すには迫力を欠くものであった。でもなぜかぼくはそう決めてしまった。年が明けた。友人、知人、お客様から年賀状が届き始めた。いつもなら喜んで一枚一枚読んでいくのだが、まるで呪文にかかったように一枚も手に取ることができない。年賀状は、いまだ読まれることなく、ぼくの机の上に載ったまま。だれから届いているのかも分からない。いったいいつになったらこの呪文は解けるのだろう
A LONG VACATION 6日目
A LONG VACATION 4日目
まだ暗いうちに枕もとのラジオが鳴りだした。だれだ目覚ましをセットしたのは。たぶんそれはぼくである。昨日、タイマーにつないだラジオのスイッチを切り忘れたらしい。再び布団を被ったが、なかなか寝つけない。しかたがないのでたまには朝の太陽でも見てみようと、屋上に上がった。地球は人類の事情とは関係なくただひたすら回転している。ちなみに、ぼくの頭には太陽が昇るイメージはない。あるのは太陽の前で地球が前のめりに回転している機械的なイメージだけ
愛用のカップで珈琲を飲みながら、ひと月かけて丁寧に育てたネコ草と最後のひと時を過ごした
きょうは一年のうちでも特に豪華な朝食がテーブルに並ぶ日。今回、特に目を引いたのが、昨日、横浜から帰ってきた娘が南三陸町にボランティアに行った際に買ってきたイクラ
今まで口にしてきたイクラは一体なんだったのか。思わず唸るほどの豊潤ぶりに寝ぼけマナコの家族3人は目を見開き、互いに顔を見合わせた
食事を済ませ、一息ついたところで、年末にお客さんから預かったコーヒーミルの修理を始めた。原因が分かったので、部品を調達後、再修理となった。さて、昨日に引き続き大掃除は続く。火山灰の撤去作業が昨日終わらなかったのだ。理由は宇宙からの微弱電波に関するつまらぬ事情。つまり、昨日の夕方から衛星放送の録画予約をしていたのだが、灰の積もっている場所にパラボラアンテナが立っていたのだ。もし録画中、チリトリとほうきを手にしたぼくがアンテナの前を横切ったら・・・。いうまでもない、それはとても悲しいことだ
二人で年越しそば
A LONG VACATION 3日目
大掃除は終わったわけではなかった。屋上に積もったまま放置していた某火山の灰を撤去しなければならない。黄色い克灰袋をポケットに押し込み100円ショップで調達した小さなチリトリとほうきを手に屋上のフェンスをまたいだ。火山灰はフェンスの外に張り出したひさしに山のように積もっている。屋上は風が強かった。ひとたび突風に煽られれば枯葉のように宙を舞うこと必至である。そのときはバットマンのように滑空し、地表すれすれで一回転して着地せねば大怪我をするであろう。このまえのような肋骨の骨折ていどでは済まされない。なにせ、ここは2階建ての屋上なのだ。このような場合、重心を低く保って作業するのがコツである。つまり、しゃがんだまま灰をすくい取っていく。これはひどく過酷な作業であった。灰は予想外に多く、克灰袋が2袋でも足りなかった。2013年も暮れていく
A LONG VACATION
唇が腫れたわけ
正月料理用にゆで卵を20個くらい剥く必要があった。そこで以前から試してみたかったあのワザを使ってみることにした。しかし、なぜかうまくいかない。たまに剥けるが、つるりとは剥けず、勢い余って崩れたり、黄身だけが飛び出したりした。そうこうしてるうちに唇が赤くはれ上がって中止となった
A LONG VACATION 2日目
年末の大掃除という言葉はぼくのためにあるのではないだろうか。朝、作業開始のゴングが鳴る。朝食もとらずに掃除を開始、10分で昼食を済ませ、修行僧のように黙々と作業に取り組み、次々と終わらせていく。ふと時計を見ると夜の7時。燃え尽きたぜ、真っ白に