海を見ていた午後

これといって、いやなことがあったわけでもないのに、かなしくてゆううつな一日がはじまってしまうことがある。そんなときに聞く音楽

たおやかな声

日が沈んだころ、いつものお客さんが店にやってきた。マンデリン四つ!、彼女はいつものように不機嫌な声でいった。店内には古い日本の歌が流れていた。このころの歌はよかったね、歌手の声もたおやかだ、とぼくがつぶやくようにいうと、きびしかった彼女の顔がにわかにほころび、たおやか…。ああ、久しぶりに聞いたわ。といい、遠くを見るような目になって、しみじみと、ほんとにいい言葉だよね、といった。そして、忘れるといけないから紙に書いて、といって、その紙を大事そうにしまい、うれしそうに帰っていった

標準レンズの風景

150216_19 昨年の暮れ、安い標準レンズを買った。ボディはプラスチック製。つい笑ってしまうくらい軽い。とても気に入っていて、遠出をするときは、いつもこれを付けている。ぼくの一眼レフデビューは中学一年のときだった。そのカメラに付いていたのが55mm/f1.8の標準レンズ。きっとそのせいもあるのだと思う。標準レンズで撮る風景は、なぜか決まって懐かしい

抜けた話

150214_01 どうもハンドルの具合がおかしい、と思いつつ帰路を急いだ。家に帰り着き、念のためタイヤをチェックすると右前輪が完璧にパンク。やれやれ、パンクに気づかず運転していたなんて。腹が減っていたので夕食を済ませ、疲れた体にムチ打ってタイヤの交換作業を開始した。トランクから交換用のタイヤを取り出すと、な、なんと空気が抜けている。とほほ、本気で憂鬱になってきた。ポンプを持ち出してきて空気を入れる。よかった、ポンプは壊れていなかった。タイヤを交換し、パンクしたタイヤをチェック。見たところ釘など刺さっていない。空気を入れてみる。シューシューと空気の漏れる音。タイヤではなく、空気を注入するエアバルブの付け根からだ。ネットで調べてみると、タイヤ交換時にエアバルブも換えたほうがいい、との事。知らなかった。今までエアバルブを換えたことなんかなかったし。

教訓 交換用のタイヤもたまにはチェック。タイヤ交換時にエアバルブも交換したほうがいいかも

スローガラス

150209_02 その小さな窓には特殊なガラスがはめ込んであった。どんな素材が使われているのか知らないが、窓に射した光はそのガラスを通過するのに半年かかるという。ぼくは窓の外を覗いてみた。空は厚い雲に覆われていたが、まぎれもなくそれは夏の雲だった。夏草が生い茂り、あちこちで虫が飛んでいた

嫌われる勇気?

150208_01 息子が、読んでみて、というので読み始めた自己啓発本。今、ベストセラーになっているようです。いまさら自己啓発本なんて、とバカにしながら読み始めたのですが、これがケッコウおもしろい。社会に出て間もないころ、デール・カーネギーの、道は開ける、と、人を動かす、という二冊の啓発本を購読して大いに感動し、繰り返し読んだものでしたが、そのカーネギーは本書で扱っているアドラー心理学の影響を強く受けているのだそうです。読み進んでいくと、なるほど、と思わされる部分が多々あります。ところで著者の一人、哲学者の岸見一郎さんが、あとがきに次のように書かれていたのが新鮮で、あらためて感じ入ってしまいました。「…哲学のもとの意味は「知」ではなく、「知を愛すること」であり、知らないことを知ろうとすること、知にいたる過程こそが重要だからです。最終的に知に到達できるかどうかは問題になりません…」 一方、もう一人の著者、ライターの古賀史健さんの文章術も見逃せません。カーネギーの「人を動かす」に述べられている教えを巧みに応用していますから。そこを意識して読むなら、人に読ませる文章を書くテクニックも同時に会得することが可能…。?