チンが鳴るまで

珈琲の袋を手にしたお客さんを見送って時計を見ると、12時を少し回っていた。冷蔵庫から弁当を取り出し、電子レンジに入れる。いつもは、ご飯とみそ汁の二つなのだけど、今日は昨夜の残りのタイカレーがプラスされていて三つある。全部温めると5分以上かかる。この待ち時間が厄介だ。短いようで長く、いつも持て余す。たいてい、近くに積んである本をつかみ、適当にめくって、そこを読む。

・・・・・

「やあ、こんばんは。こちらはラジオK・E・Bのポップス・テレフォン・リクエスト。ラジオ聴いててくれたかい?」
僕は口の中に残っていたチーズクラッカーを慌ててビールで喉の奥に流し込んだ。
「ラジオ?」
「そう、ラジオ。文明が生んだ最良の機械だ。電気掃除機よりずっと精密だし、冷蔵庫よりずっと小さく、テレビよりずっと安い。君は今何してた?」
「本を読んでました」
「チッチッチ、駄目だよ、そりゃ。ラジオを聴かなきゃ駄目さ。本を読んだって孤独になるだけさ、そうだろ?」
「ええ」
「本なんてものはスパゲティーをゆでる間の時間つぶしに片手で読むものさ。わかったかい?」

チン! そこで電子レンジが鳴った

クラゲと台風とアフォーダンス

先日、山の向こうの海に行った。夏の疲れからだろうと思うのだけど、昼までベッドに横になっていた。時計が12時を回った頃、波打際を歩けば気分がよくなりそうな気がして、ぼーっとした頭で海に出かけた。波打際にはクラゲが打ち上げられていた。午後の日差しを浴びてエメラルドに輝いていた。まだ生きていて、心臓のように鼓動している。その時ぼくには海の心臓のように思えてならなかった。クラゲ、という名前を付与されたせいで、世界から遊離し、独自に存在しているように見えるが、その時ぼくには海の器官の一つに感じられた。いま、台風が南の海を北上している。何か物思いにふけっているように迷走している。まるで生き物のように。でも、言うまでもなく台風は台風として自立しているのではない。あれは自然が平衡を保つために生じさせたガス抜きの穴でしかない。見方によってはクラゲも台風も同じように見える

真夜中のソフトクリーム

160823_01眠れない夜をどう過ごすか。酒を飲む人、車を走らせる人。ぼくは車を走らせ、山の向こうの海に出かけていた

160823_02その頃、真夜中にソフトクリームを売っている店なんてなかった。もしあったら、ぼくの人生は今より少しは明るく、まともなものになっていたと思う

Everyone山の向こうの海の近くにあった、真夜中のソフトクリーム屋がなくなった。さびしいけど、しょうがない

夏の終わり

160820_04たまにゃ~花火でも見るべか、というわけで行ってきた

160820_05ジ、エンド。夏の終わりの合図

160820_06食べたかったけど、たくさん並んでいたのであきらめた

秋・・・

毎年、今頃になると思い出す曲。

淡々と歌ってるけど、こわい歌

(この動画、すぐに削除される気配濃厚)