先日、夜中に街中の道路を走っていたら、海の匂いがした。海からずいぶん離れたところだったので妙な気分になった。台風が近づいていたせいかもしれない。小学校の1年か2年の時だったと思う。ある日ぼくは海に向かっていた。親がなかなか連れて行ってくれないので、自分で行くことにした。海から離れたところに住んでいたので、どの道をどう歩けば海に行けるのか分からなかった。家の近くに川があった。川を下れば海に出る。ぼくは川沿いを歩き続けた。海は遠かった。でも、海にたどり着いた。泥だらけの、とても臭い海だった。今でも時々、その臭い海の風景を夢に見る
愛は冷蔵庫に保管できない
ノルウェーの島には「世界の終末」のために備えられた「世界種子貯蔵庫」があるそうだ。貯蔵庫内は摂氏マイナス18~20度に保たれ、万が一、冷却装置が故障した場合にも永久凍土層によってマイナス4度を維持できる環境に置かれているという。
時にカルミンはぼくにとってエイトマンのタバコのような役割を果たす重要なお菓子であったが、昨年3月をもって生産を終了してしまった。世界の終末のことは感覚的によくわからない。しかし、ぼく個人が慣れ親しんでいる主観的な世界は常時終末の危機に晒され、日々浸食され続けている。これは痛切な現実だ。たとえば、昨年に引き続き、行きつけの喫茶店を今年も一つ失った。
今日は夏の疲れの第二波のようなものがぼくを襲った。熱いコーヒーを何杯も飲んだが、効果はなかった。ぼくは貯蔵庫から今では入手不可能となったカルミンを取り出して口に放り込み、心の奥の井戸に水が満ちてくるのを待った。
Treasure map
台風の中を
台風がやってくるというので、屋上のテーブルを片づけたり、ガラス窓を板で覆ったり、植木鉢を退避させたりした。ついでに、長年、屋上のフェンスに取り付けたまま放置していたアマチュア無線のアンテナも撤去した。
作業を終え、昼食をとって、いつものジャズ喫茶に出かけてみた。台風で閉まってるかも、と思ったが、開いていた。このジャズ喫茶には、なぜか専用の読書スペースがある。音楽を聴きながら読書に耽ることができるのだ。というわけで、熱い珈琲を目の前に置き、今日のような日にぴったりの、むかしサントリーのCMにも使われていたあの詩を開いてみた
汝らのみすぼらしい絵馬の前に、
なんでこの身が、ぬかづき祈ろう。
むしろ、われは台風の中を闊歩して、
轟き騒ぐ胸を励まし、
鶫鳴く葡萄園に導きたい。
沖の汐風に胸ひらくとも、
葡萄の酒に酔おうとも、何のその。
世は満月じゃ~
スコット祭
秋の始まり
5年後にはさぞかし魅力的なレディになってるだろうな、と思わせる女の子や、10年前はさぞや魅惑的なレディだったろうな、と思わせられるご婦人とコーヒーを飲んでいる今日この頃
夜風
世界は不思議に満ちている
惑星ソラリスな夜
信号待ちの車の中から