日曜日の朝

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朝、屋上に出て、ミルク色に煙った空を見上げると、小さな鳥の群れがあたりを縦横に旋回していた。よく見るとそれはツバメだった。いつ来たのだろう。昨日はいなかったのに

レビュー

今年は読書の年にしようと決めたんです。
お客さんはコーヒーを飲みながらそう言った。
今年最初に読んだのは遠藤周作の沈黙でした。
へー、そういう人だったんだ、とぼくは思った。
で、今から村上春樹のあの本を買いに行くところなんです。読み終わったらお貸ししましょうか?
彼女はにこにこしながら言った。
ぼくは気乗りがしなかったので、今はいいです、と言った。なぜかその時は読みたいと思わなかった。
さっき、ふと思い出して、アマゾンのレビューを眺めてみた。星一つのレビューがおもしろくて、ずいぶん楽しめた。それを読んでいたら、だんだん読みたくなってきた。今度彼女が来たら、貸してもらおう。

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抜け殻

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抜け殻は午後の日差しを浴びて琥珀色に輝いていた。彼はこの時間が好きだった。抜け殻はよく思い出す。あれは夏が始まったころ。抜け殻が止めるのも聞かず、中身は透き通った羽根を広げ、青い空に飛んで行った。その数日後、抜け殻は風の便りに聞いた。中身は鳥に食べられてしまったと。抜け殻はつぶやいた。そら見ろ、言わんこっちゃない

明るい部屋

数日前、部屋の照明をLEDに交換した。これがとても明るくて、気分も明るくなった、かというと、そうではなく、なんだかそわそわして落ち着かない。きっとぼくは暗いところが好きなんだ

雨の中を

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お昼を少し回ったころ、雨の様子を見に外に出ると、けっこう大粒の雨が降っていてびっくりした。予報では夕方くらいから雨とのことだったのに。今日は鹿児島マラソン。うちのお客さんも何人か走っている。冷たい雨の中を走っているお客さんたちの顔が浮かんだ。店に戻り、食後の珈琲を点てていると、ずぶ濡れのお客さんが入ってきた。42キロ走り切り、ゴールした後、雨の中を走ってきたそうだ

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ぼくにはマネできない。死ぬかも

アの季節

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ことしもアの季節がやってきました。一年って、ア、と言う間ですね。今年は小澤征爾と共演するそうです

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注文したLEDダウンライトが届いたので、これまで使っていた蛍光灯ダウンライトと交換しました。27Wの蛍光灯を5.7WのLEDにしたのですが、LEDのほうが明るい気がします。ちなみにPanasonic製。今日は5個取り替えました。残りは休日が雨の時に取り替える予定

ある映画の話

冷たい雨が降っているせいか、外の景色が青白く見える。カウンターでコーヒーを飲んでいるバイク少年がつぶやくように言った。
アニメ映画なんだけどね、見た後で何度も思い出すんですよ。戦争映画だけど、戦うシーンはないんです

Wind, Sand and Stars

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ぼくはまだ砂漠に行ったことはないけれど、風と、砂と、星しかない、とてもさびしいところらしい。星の王子さまは、そんな砂漠でキツネに会い、ともだちになった。そのともだちは、ほんとうに大切なものは目に見えないんだ、と、王子さまに教えてくれた。ぼくも、そんなともだちに会えるなら、風と、砂と、星しかない砂漠をどこまでも歩いてみたい

木星

風呂から上がり、屋上に出てイスに腰掛け、空を見上げると、星が10個くらい光っていた。薄雲が広がっているらしく、明るい星しか見えない。南東の空に木星がぼんやり光っている。空を飛べたら木星まで飛んでみたい、と思った。どれくらいかかるだろう。生きているうちにたどり着けるだろうか。気になってきて、部屋に戻り、本棚から図鑑を取り出した。小学校の時から使っている「宇宙のなぞ」という本。それによると、時速5,000キロのロケットで14年かかるという。もしぼくが空を飛べても、時速5,000キロなんて絶対無理。パーマンが時速91キロなのだから。計算してみたら、ぼくがパーマンみたいに飛べたとしても、769年かかる。やってられない

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