夜、屋上で星を眺めながら涼んでいたら、ゲゲゲ、という、ケモノの声が聞こえてきた。家の前に畑があるので、きっとタヌキかアナグマが発情して変な声を出しているんだろう、と思った。ゲゲゲはすごいスピードで移動しており、こちらに向かってくる。ぼくは家の屋上にいるので、当然、ヤツはここに来ることはできない。次の瞬間、ぼくのすぐ右横を大音量のゲゲゲ声が通り過ぎて行った。姿は見えなかった。ものすごくびっくりした
POW !
あのとき君は
孤独の発明
夏とダンスダンスダンス
虫を放つ
脱走
朝起きて、ヤツに会いにダイニングルームに行く。食堂テーブルの隅にタッパーが置いてあり、中には数日前つかまえたクワガタがいる。はずだったが、ヤツはフタを持ち上げて脱走していた。子供のころ、いろんな生き物を部屋で飼っていたが、たまに脱走する者がいた。気持ちは痛いほどわかる。彼らは自由が欲しかったのだ。同じく自由を愛するぼくにはクワガタの気持ちがわかるので、彼がどこに逃走したかすぐに見当がついた。ぼくは脇目も振らず北側の窓に歩いて行き、ブラインドを上げ、サッシ左奥の隙間に目をやった。わずかな隙間からクワガタの角の先が見えていた。ところで、先日、真夜中にすぐ近くで雷が鳴り、あわてて飛び起き、エアコンやパソコンのプラグを抜いた。むかし、雷のせいでエアコンの基板がこわれ、けっこうな出費となったことがぼくの数多いトラウマの一つとなっているのだ。そこで某熱帯雨林に雷ガード、というブツを注文したのだが、それが今日届いた。効果があるかは不明だが、もう夜中に飛び起きてプラグを抜くことはなくなる… といいのだが
夏なのに
幻想的な夜
風呂から上がって屋上で涼んでいると、前方からアオバズクの声が聞こえてきた。いつもとちがい、深い森にいるようなエコーを伴って聞こえる。谷間で鳴いているのだろうか。とにかく、速い流れの雲と、それを不気味に照らし出す半月と相まって不気味、いや、幻想的だ。台風が去った後の夜。プリミティブな夜















