ただいま、ぼうけんから帰ってまいりました。
今日はけっこう走ったなぁ。
というわけで、もう寝ます。
おやすみー[E:sleepy]
寿司びより
10時過ぎ、伯母を連れて病院に行った。診察によると、骨粗しょう症は順調に快復に向かっているらしかった。バナナを食べたいということで、病院からの帰り、スーパーに寄った。買い物を終え、信号を右折し、坂のトンネルを抜けると雲ひとつない青空が広がった。
「最高のドライブ日和だね。からだの調子が良くなったら海に連れてってあげるよ」 ぼくは言った。
「ありがとう。でも、今はそういう気分にならない」
暗い声で伯母は言った。ケアハウスは某団地の坂の途中にある。荷台から車椅子をおろし、伯母をのせて部屋に連れて行った。
「今日はせっかくの休みのところをありがとう」
伯母はそう言って、ぼくに10000円くれた。一応、いらない、と言って、ありがたく頂いた。これで寿司でも食おう。
「むだ遣いしなさんなよ、カメラとかに」
ぼくはギョッとした。なんで知っているのだ。くそ、某O型高気圧系妹Y子め。
ケアハウスを出ると、ぼくらはその足で海に向かって走り出した。江口浜の某店のにぎり寿司定食はけっこうウマイ。某店はあいかわらずの混雑ぶりだった。ここはいつもジジババでごった返し、ムードに欠ける。ここでうら若い美しい女性に出会ったことがない。ぼくらは、にぎり寿司定食と本日のおすすめ「鯛のカマ炊き」を注文。このカマ炊きは、数え切れないほどのカマがピラミッドのように盛ってあって、食べるのに苦労した。4人分くらいの量だと思う。腹がふくれると、いつものように海に出て、ぼんやりと歩いた。ぼくはいつもぼんやり歩く。
いつもの温泉は熱かった
雨のち曇り。昨日の予報ではそうなっていた。ぼくの大切な休日が雨だなんて。ぼくは不幸になりそうな予感がしたが、不幸ぶるのは今年はやめようと思ったのでやめることにした。くもり空の下、車は海岸通りを南下していた。やがて車は右折し、人気のない道路をしばらく走ったのちに、いつもの某温泉の駐車場の奥に停止した。昨日までは大変混んだであろう駐車場も、今日はガランとしていた。たまにはミヤビな気分に浸るのも良かろうと思い、今日はヒノキ風呂選んでみた。いい気分だった。今度家を建てる時は、湯舟はヒノキにしようと決心した。温泉を出るころには、空はすっかり晴れ渡っていた。某温泉を後にした車はいつものように某湖を半周し、某山のふもとにある某ハーブ園へと進入した。ちょうど昼だったので、レストランに入り、日当たりの良い窓際のテーブルに座った。いつものようにAセットを注文。食後のデザートも、いつもと同じハイビスカスのシャーベットをチョイス。なにもかもがいつもと同じだった。いつもと違うのは、ぼくだけなのかもしれなかった。今日は早く帰って、映画を見るつもりだ。帰りに、ナントカ物産館に寄って新鮮な野菜を物色した。すると、あの、個人的に幻のブランドのほうれん草を発見してしまったのだった。
植物園にて
車は海沿いを走っていた。海の上ではオリオンが冷たく輝いている。閉店後、ぼくの車は、南にある某植物園に向かっていた。この時期恒例のクリスマス・イルミネーションを見るために。到着したのが午後9時。レストランで食事をするつもりだったが、レストランは9時までだった。ぼくは腹をグーグー鳴らしながら、園内をブラブラ歩き回った。日曜の夜なので、人はまばらだろうと思っていたが、意外と多い。特にアベック。ぼくは何度も「写真を撮ってください」と、声をかけられた…
アベックだらけ
光のトンネルを抜けるとそこは
恋人たちは密室へと消えていった
やらしい目のサンタ
9時50分。 閉園を知らせる音楽が園内に流れはじめた。
園を後にし、しばらく走ったところで車を停め、外に出て空を仰いだ。
満天の星。
天頂近くで、昴が妖しく輝いていた。
靴を洗ったわけ
海に向かう途中、道路端に、すてきな木を見つけた。ゲゲゲの鬼太郎に出てきそうな怪しい木だ。
「よーし、帰りにあの木の写真を撮ろう」
ぼくは決めた。
海は強い北風のせいで荒れていた。浜辺を歩いていたら、波しぶきでメガネが曇ってきた。これじゃあ写真は撮れそうにない。砂丘に座ってコーヒーを飲むつもりだったが、それもあきらめた。
「しかたがない、あの木の写真を撮って帰ろう。帰って映画でも見よう」
その木は道路端の小さな墓地の中央にあった。大きな木なので、離れないと全体が撮れない。今日は標準レンズしか持ってこなかったから。ぼくはファインダーを覗き込んだまま、後ずさっていった。後ろにドブ川があるとも知らずに。
小学校跡にあった、おおきなイチョウ。
ロケットは錆びていた
朝起きると、青空がどこまでも広がっていた。というわけで、弁当を持って、どこかに出かけた。車は走り出したが、どこへ行くかまだ決めてなかった。とりあえず串木野に進路をとって走り出したが、弁当を食う場所が思いつかなかった。それに、今日は早めに帰って、久しぶりに映画を見ようと思っていたので、車をUターンさせ、平川動物園に向かって走り出した。平川動物園は、家から近い。車を思い切り飛ばせば5分で到着、するのは難しいが、20分もかからない。平川動物園のとなりに大きな公園がある。名前は忘れたが、とても立派で、すばらしい公園だ。もちろん、タダだ。展望台で、景色を眺めながら弁当を食い、コーヒーを飲んだ。ズームレンズのテストを兼ねて、コスモスやバラの写真を撮った。とても満足できる公園だった。映画を見たかったので、動物園はやめにして、2時過ぎには帰路に就いた。ナントカという映画を見た後、なぜか急にあの映画が見たくなって、ちょっとだけ見た。
答えはアンダースタンド
寒い一日だった。なぜ寒かったかというと、鹿児島のアルプス、霧島に行ったからである。霧島は寒いところなのだ。その証拠に高千穂河原のそば屋ではストーブを焚いていた。(アルプスといえば、一昨日フランスに向かったOさん夫妻は、今頃ジュネーブに向かって車を飛ばしているかもしれない)ぎっくり腰がまだ痛いので、チャンピオンベルトをきつく締めて出かけた。運転中はまあよかったが、山道を登るときには、何度か鋭い電気が走り、息が止まった。紅葉を期待して出かけたのだったが、えびの高原はほとんど散っており、高千穂河原もかなり散っていた。とにかく寒く、腰に響いたので、どこかで日向ぼっこをしようと国分の城山公園に車を走らせた。公園は定休日で観覧車などは止まっていたが、入園は自由であった。長い影を引きずってトボトボ歩いていると、耳の長い変な猫を見かけた。しかしよく見ると、それはウサギであった。そっと近づいて、お手、お手、と言ってみたが、反応はなかった。ウサギは頭が悪く、何も憶えないという話を聞いたことがある。その昔、ヨッパライ某が「あたし、ウサギみたいって言われた~」と喜んでいたが、喜んではいけなかったのだと思う。今、ウサギの写真を見ていたら、ふいに井上陽水の歌に「ブライト・アイズ」というステキな曲があったのを思い出した。大好きな曲で、カセットに入れて繰り返し聞いたのだったが、どんな曲だったか忘れてしまった。映画「ウオーターシップダウンのうさぎたち」の主題歌だった。
雨の木
朝から冷たい雨が降っている。休日に冷たい雨が降ったら、どうしよう。そうだ、あそこに行こう。というわけで、車は、指宿の某温泉に向かっていた。この温泉は貸切りになっていて、内湯と外湯がある。ぼくは雨の降る外湯に浸かって、空を仰ぎ、口をあけた。うめ~。今日の雨はなかなかうまい。温泉を後にし、池田湖を見下ろせる公園に行った。霧に煙る池田湖。ぼくはいつの間にか“霧の摩周湖”を布施明の声で口ずさんでいた。車は湖を半周し、開聞岳のふもとにある某植物園に向かっていた。雨の植物園も風情があってよい。植物園の主役は、もちろん植物なのだろうけど、雨が降るとそれが際立つように感じる。雨音に隠れて、植物たちがひそひそ話をしているような気がしてくる。
ROUTE226
車は指宿スカイラインを南に向かっていた。優しい気持ちになりたくて、フラワーパークの花でも眺めながら、ぼ~っとコーヒーを飲もうと思っていた。しかし、ぼくは気分屋だった。突然、坊津方面に行きたくなってしまった。車は知覧ICの先でUターンし、川辺ICで降りた。今日は弁当持参だったので、磨崖仏で有名な清水岩屋公園で昼食にした。川辺の街を抜け、薩摩半島最大の川、万之瀬川を渡って交差点を右折。万之瀬川沿いの道路を下りきったところが加世田の街だ。そこを左折して枕崎方面へと向かう。途中、小さな交差点を右折して坊津に突入。曲がりくねった山道を走り抜けると、眼前に海が開けた。銀色に輝く海に漁船が一艘。車を停め、写真を撮る。今日は花の写真を撮るつもりだったので、持ってきたレンズは標準マクロ一本だけ。でも、それでよかったのかもしれなかった。単レンズなので、逆光でもゴーストが出ない。空はぼんやりと煙っていて、いまいちスカッとしない。夕焼けの海を撮りたかったが、風が出てきて空は次第に曇りはじめた。