黄色い花

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うわさによると指宿の知林ヶ島に遊歩道ができたらしい。一方、薩摩半島南端の山川漁港には道の駅(のよーなもの)ができたという。となると、今日は南に走るしかない。道の駅で新鮮な魚を買うべく、車にアイスボックスを積んで南に走りはじめた。車を走らせていると、海に面した道沿いの民家の庭に、鮮やかな黄色の花が咲いている。なんだろう。ぼくは気になりだした。そうだ、某植物園に行けば分かるかもしれない。というわけで、植物園も予定に入れることになった。
知林ヶ島は島である。海に囲まれている。だが、潮が引くと、見よ、海が真っ二つに割れて砂州が出現、地続きとなる。そこを十戒のモーセよろしく、人々は歩いて渡るのである。指宿市の「知林ヶ島の砂州情報」で調べてみると、本日は13時30分から17時10分までの3時間40分、砂州が出現するとある。
というわけで、まず山川漁港の道の駅に行って魚を買い、次に某植物園で花の名前を調べ、園内で昼食をとって知林ヶ島に赴くことにした。山川漁港の道の駅に行くと、案の定、駐車場は満杯だった。ぼくは待つのが大嫌いなので、今回はあきらめることにし、某植物園に向かった。
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植物園のロビーに入ると、正面に見たことのない苗が並べてある。
「おい、この葉っぱ、コーヒーノキに似てないけ?」
と、ぼくが言うと、ヨッパライ某が、
「目の前のチラシを見てごらんよ。キミが探してる黄色いのって、これじゃん」
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見ると、まさにこれであった。
園に出てみると、道沿いのあちこちで咲いている。満開だ。
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そういえば、何年か前に、花が咲いているのを見た記憶がある。それにしてもすばらしく鮮やかだ。黄色い花。
レストランで食事をとり、園を後にした。
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休暇村指宿の芝生広場を抜けて海に出る。島へと続く砂州の上を、多くの人が歩いている。
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歩いても歩いてもなかなか島にたどり着けない。なぜだ。ここは異次元空間なのか。ちなみに距離は850mだそうだ。
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遊歩道の階段の途中から見た魚見岳方面
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展望台から見たところ。クリックで拡大。
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休暇村指宿の芝生広場。黄色い花はミヤコグサ。
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魚見岳から知林ヶ島を臨む。左手に見えるのは桜島(昨年7月)

弁当を広げるのによさそうな所

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ひさしぶりに晴れたのでドライブに出かけた。たまには近場で弁当を広げるのもいいんじゃない? と、ヨッパライ某に提案すると、それなら松元町にイイところがある、という。なんでも、なんとかという(名前は忘れた)陶芸家が山を買って窯を開き、ギャラリーをやっているのだそうだ。「まだ行ったことはないけれど、その広い敷地にはベンチがあって、弁当を食べるのによさそうな所だよ」と。
ぼくは映画サウンドオブミュージックの冒頭に出てくるような、山の頂に広い野原が開けている図を想像した。
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山を越え、レンゲの咲く田んぼ道を走り抜けるとそこが目的地だった。車を降り、辺りを見回すと、想像したイメージとずいぶん違う感じがする。ヨッパライ某が弁当とコーヒーを持って行こうとするので、「ちょっと中の様子を見てからにしよう」とぼくはいった。落葉低木に覆われた細く薄暗い道を歩いていくと、山里の庵といった趣の小さな建物があらわれた。
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中に茶碗や皿が並べられていたので、入ろうとすると、若い男の人がやってきて、「奥の展示場へご案内しましょう」と、広葉樹の生茂る細い道を歩き始めた。遠くでコジュケイの鳴く声がする。静かだ。5、6分歩いたところに展示場はあった。
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「どうぞごゆっくり、あとでお茶でも召し上がってください」と言い残し、若い男の人は帰っていった。「おい、こんなところで弁当を広げたらヒンシュクものだぜ」と、ぼくはトナリの人にいった。展示場を出て帰ろうとすると、露地先の茶室から、先ほどの若い男の人が「お茶をどうぞ」と、声をかけた。にじり口から中に入ると、ちょうどコーヒーをドリップしているところだった。
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縁側の向こうに広がる風景を眺めながら、ぼくたちはコーヒーを飲んだ。時折ウグイスの声が聞こえる。恐ろしく静かな茶室だった。
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路地の土手に顔を出していた白い草。ギンリョウソウかな。
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山の庵を後にして山道を下り、吹上浜に出た。今日のお弁当は、先日お客さんからいただいた手づくりレバーペーストとトマトをガーリックパンにはさんだもの。山の庵では食べられそうになかったので、吹上浜のベンチで、コーヒーを飲みながら食べた。
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ブレモード

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雨が降っていたので温泉に行ってきた。
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ブレているのは、カメラのせい。
でも、こうしてみると、ブレている写真もいいね。
カメラは明日、修理に出します。

ある月曜日

山の向こうに何があるのだろう。たぶん、だれも知らない。少なくともぼくは知らない。冒険はいつもこのようにして始まる。そしてぼくは今日も美しい白馬にまたがって山を超える。ような気分で汚れて灰色になった白い車のアクセルを踏んだ。
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山を下って信号を右折し、まっすぐ走っていくとそこは海。海の向こうに何があるのだろう。たぶん、だれも知らない。少なくともぼくは知らない。しかし、今日はそんなことはどうでも良かった。遠い目で海を眺めながら、お客様から頂いたリエットをおごそかにパンに塗りつけて食べるのが今日の目的なのだから。その前に海の写真を撮ってこようと思い、海に面した岸壁に車を止めた。
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「写真を撮ってくるからパンを切って準備していてくれ」と、となりのヨッパライ某に言い残し、海岸に出た。写真を撮って車に戻ると、ヨッパライ某がうれしそうな顔をして「ニュースがある」という。ぼくはイヤな予感がした。
「リエット、忘れちゃったー」
実にすばらしいニュースだった。パンだけではあまりに悲しすぎるので、車はUターンし、某食堂に向かった。1050円の定食を食べ終えると車は近くのカメが多か、という丘に上っていった。
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その丘の眺めのいい展望所には桜を植えた庭園があり、池があった。カメはいなかったが、オタマジャクシが1600匹近く泳ぎ回っていた。
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帰りに海浜公園に寄って、しばらく池を眺めていた。
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サルの握手

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ひさしぶりに海に来て、だれもいない波打ち際を歩いた。
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どこまでもどこまでも歩いていると、水際にきれいな白い鳥がいた。
写真を撮ろうと思って、そうっと近づいていった。
でも飛んでいった。
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数日前の、某ブログの記事を思い出した。
  ———- ここから ———-
私は自分が若い日に傾倒した哲人の言葉を思い出していた。正確な言葉ではないが、子どもの教育にも打ち込んだその哲人は、子どもから、「わたしはリスが好きなのに、わたしが近づくとリスは逃げてしまいます。どうしらたいいのですか」と問われた。彼の答えは意外なものだった。そしてその答えは、私の心にずっと残った。彼の正確な言葉は忘れたが、こんなふうに答えた。「リスがきみに安心感が持てるように、毎日リスのいる木の下でじっとしていなさい。何日も何日も。」 その奇妙な答えは彼自身が自然のなかの暮らしで実践していたものだった。大樹の下で禅定ともなく静かに日々座って、リスや山の動物たちが彼を恐れなくなるまで慣れさせ、そしてやがて彼の体にリスが乗り駆け回るようまでなった。猿がやってきて握手を求めたともあった。
 猿の握手。私はそんなバカなと思ったが、別途動物学の本で、仕込んだわけでもなく自然の猿にそういう習性があるのを知った。
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ショーシャンクになれなかった

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しまった、パトカーだ!
ぼくは車を急転回させ、民家が軒を並べる狭い路地に逃げ込んだ。背後でサイレンがけたたましく鳴り響く。ぼくは最初の十字路を左に折れ、目についた高級住宅のコンクリート車庫に車を突っこみ、シャッターを下ろした。
と、そこで目が覚めた。いやな夢だ。
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今日は雨のはずだった。しかし、カーテンを開けると、空はどんより曇っているものの雨は降っていない。
くそっ。
ぼくは舌打ちした。週間予報では今日は雨だった。そのつもりで、きょうはショーシャンクな一日を計画していたのだ。つまり、指宿の某貸切温泉の外湯に浸かり、全身に雨を受けながら喜びに満ちた顔で空を仰ぐ予定だったのである。
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しかし、あきらめるのは早い。もしかすると指宿は雨かもしれない、と思って、とりあえず車を走らせた。が、天気はますます良くなり、雲間から青空が見えはじめた。ショーシャンクな計画は失敗に終わったのである。
天気が良くなってきたので某植物園まで足を延ばし、そこで食事をとることにした。温泉横の山を超えて池田湖を半周し、しばらく走るとそこが植物園だ。つづら折の坂を上りきると空が開け、気分も明るくなってきた。が、そこには黒白ツートンカラーの車が待ち構えていた。ちなみにスバル・レガシーターボ。
「どちらへ行かれるんですか?」
車を止め、窓を開けると、背筋のピンと伸びた立派な体格のお兄さんがニコニコしながら聞いてきた。
ぼくの顔は思い切り引きつっていたが、となりのヨッパライ某がうまく応えてくれた。まったく心臓に悪い。
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植物園の花壇に、きれいなキャベツが噴水のように植えてあった。
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ここのチューリップ畑はほんとにきれいだ。
いつかわが家の庭もこんな風にしようと思う。
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レストランで昼食。
ホワイトクリームと焼サーモンのスパゲティーなんとか。
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公園にて

昨夜は某駅ビル映画館でMamma Mia!をみた。おもしろかった、というより、楽しかった。ABBAの曲を使ったミュージカルなんだけど、だれかがABBAの曲を歌うたびに、その歌詞が字幕に出る。ああ、なんてステキな詩なんだろう。ABBAの曲って、こんなにすばらしかったのか。ぼくは素直に感動しました。
何も考えず、楽しむための作品です。ぼくは十分楽しめました。
ビールでも飲みながら見るといいよ。
というわけで、ぼく的にこの映画のキロク: ★★★★★

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コーヒーをポットにつめて海に向かった。

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昨夜、某F少年のブログで見た某公園のベンチの色が変だったので、途中、某公園に寄って確かめてみた。やはり塗りなおしてあった。ぼくは些細なことでも気になると眠れなくなる。

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公園にはぼくの好きな遊具がいくつかある。特に好きなのがバネの付いたカバたちだ。やったことのある方なら分かると思うが、これにまたがって前後左右に揺さぶると、子どもに比べて重心が高いせいか、おもりを先につけたメトロノームの針のように派手に振れまくる。子供用の遊具とは思えないほどのスリルに、われを忘れて熱中してしまう。なめてかかると投げ出され、顔面から地表に激突し、鼻血が出たりする。なかなかの優れものだ。しかし、夢中になっているところをケータイなどで激写され、ヘタすると「変なおじさん発見!」などといったブログネタになる恐れが高い。まったく油断ならない世の中だ。

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ベンチを見て安心したので、海に向かうことにした。駐車場の木に、まっくろくろすけがたわわに実っていた。

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その海に抜ける細い道には、昼も夜も雨の日も風の日も、黒い服を着た目つきの鋭い男の人が立っている。

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着いた。ポットから熱いコーヒーを注ぎ、冷たい風の中で海を眺めていた。

空気に溶けた一日

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風邪をひいて二週間が経っていた。
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ぼくは冬眠から覚めたムーミンのような気分で南に向かっていた。風邪のウィルスはぼくの脳ミソをムーミンにしてしまったのだ。
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そんなわけで、今日のぼくの目に映る世界はムーミンの世界だった。なにもかもがメルヘンな色を帯びて光っている。
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黄色い花、ピンクの花、白い花。どれも輪郭が空気ににじんでボケている。そしてぼくの脳ミソはいつの間にか黄色やピンクや白の空気に溶けて消えてしまった。
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☆トマトなんとかスパ  おいしいでした。
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☆テリ丼  これもウマかった。

湯治な一日

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寒い日が続いたせいで、店のコンクリートの床がコチコチに凍りつき、ぼくのデリケートな足の指に赤いしもやけができてしまった。090119_01_1そこで、そんなかわいそうな足の指をいたわってやろうと思い、指宿の某温泉に行くことにした。いつもの温泉に行くと、八つある湯部屋のうち、縁の湯と恵の湯が空いていたので、今日は縁の湯を選んでみた。湯舟の隅に石臼が据えてあって、そこから温泉が流れ出している。うーん、これはいい。このつぎ家を建てるときは、わが家の風呂もこんなふうにすることにしよう。090119_04
かわいそうな足の指がふやけてきたので、いつもの温泉を後にし、湖を半周していつものハーブ園に行き、いつものランチを食べた。
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こうしょっちゅう行っていると、まるで自分の家のような気がしてくるから不思議だ。
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正月モード4日目

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朝起きたら晴れていた。
そういうわけなので、今日は南に走ることにした。
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海が輝いている砂浜を歩いていると、懐かしい記憶が次々に蘇ってきて、なんだか切なくなる。ぼくにとってここは記憶の海。
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腹が減ってきたので、ハーブ園にあるレストランに行った。
すると、注文をとりにきた店の方が
「ギックリ腰はよくなりました?」
と言って微笑んだ。ぼくはすっかり忘れていたのだが、前回この店に来たときに、あの白いチャンピオンベルトを店の人に見せびらかしたのだった。デザートはもちろん、ハイビスカスのシャーベット。ぼくはこれを食べないと年が明けない。ような気がする。
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食事を終える頃、大粒のうろこ雲が空を覆いはじめていた。ぼくは某植物園へ行き、太陽の下でキラキラ輝くチューリップを見たかったのだけど、植物園に着いたときには空はもうすっかり曇っていた。曇り空のチューリップたちは、こころなしか申し訳なさそうに見えた。でも悪いのは君たちじゃない。もちろん、ぼくでもない。
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この植物園には伊豆の踊り子という早咲きの桜が植えてあって、2月上旬には満開になる。見ると、つぼみがふくらみ始めている。よく見ると、気の早い花が二輪咲いていた。春よこい。
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見晴らしのよいベンチに座って、ポットの熱いコーヒーを飲んだ。ニューギニアで大きな地震があったそうだが、ここから見る海は静かで穏やかだった。