セピアな一日

朝のうちに簡単な仕事を済ませ、昼飯を食べに車を走らせた。峠に向かうあたりでコーヒーをポットに詰めてくるのを忘れたのに気付き、交差点のコンビニRに車を突っ込んでコーヒーを買った。ひどく薄いコーヒーだったが、ないよりましなので飲みながら峠を越え、海の近くのコンビニFに再び車を突っ込み、コーヒーを買ったものの、これもやはりぼくには薄かった160229_01 そこでふいに、近くで陶芸をやっているK君の庭で梅がたくさん咲いている、という話を思い出し、車を転回させて彼の家に向かった。庭につながれた白い犬が激しく歓迎してくれるなか、その向こうの梅園に行って羽織をはおった夏目漱石のような顔をして梅を鑑賞した。とても良い匂いがした。家に上がり、彼の作品を見せてもらった。今から昼飯を食べに行くんだ、というと、近くにいいところがありますよ、月曜日も開いてます。と、その店の名刺をくれた160229_02 昭和を髣髴する古い民家がその店だった。中に入ると右手に薪ストーブがあり、薪が赤々と燃えていた。都会育ちのぼくが初めて目にする珍しい農具や籾殻を吹き飛ばす木製の器具などが置かれており、電話も七人の刑事に出てくるような黒いやつだった160229_04 堀こたつ式のテーブルでくつろいでいると、和風の定食が運ばれてきた。カラーでお見せできないのが残念です160229_05 ぼくは普通の定食、ヨッパライ某はオコゲ定食にした。このオコゲ定食が懐かしい風味で、セピア色の記憶を呼び覚ます特筆ものなのであった。カラーでお見せできないのが残念です160229_06 食後のコーヒー。カラーで撮ってもこんな色です160229_07 帰りに、蒸気機関車用の給水塔のある駅に寄ってみた。線路は撤去されているが、プラットホームはそのままだ160229_10 地面を注意して見ると、まだ枕木が埋まっている

ウメを見てとうふを食べた

160222_04あそこの梅がそろそろ満開らしいよ、と、ヨッパライ某が言うので行ってみることにした160222_01いつものように近道をしようとして派手に迷い、着いたのは1時過ぎだった。到着してすぐにわかったのは、肝心の梅がほとんど咲いてない、ということだった。よくある話だ。拝殿の前に植わっている桜が満開だったので、とりあえずその写真を撮った160222_02参道沿いのソバ屋でそばを食おうとしたら、売り切れとのことだった。よくある話だ。仕方ないので坂を下ったところにある豆腐屋で豆腐定食を食べた。健康的な味だった160222_03帰り道、ナントカ梅はこちらですよ、みたいな案内板が立っていたので、そちらにハンドルを切った。梅は八分咲きといったところだったが、どこか上品で風格があり、とても気に入った。しばらく眺めていたら、ぽつぽつと雨が降り出した

春の匂い

160208_02 朝起きると晴れていた。雲一つない青空だ160208_01 冬が終わった記念に、南のハーブ園でハイビスカスシャーベットを食べることにした。いつものとおりだ160208_03 ミモザはまだ三分咲きといったところ。甘酸っぱい匂いが春を告げている160208_05 早咲きの桜。こちらは七分咲きといったところだ

道に迷うのが得意なのです

昨日あんなに晴れていたのに、休日の今日は雨。天気が悪いと、ほんとにがっかりする。今日は雨の中、ある年上の男性とドライブをすることになった。療護施設で長年生活している知人に会いに行ったのだけど、方向音痴のぼくがナビのない車を運転し、人里離れた山中を走っていくと…思った通り、道に迷ってUターン。その年上の方とは、店のカウンターでコーヒーを飲みながら、映画やオーディオ、写真のことなどを時間を忘れて話をする間柄。楽しいひと時を共有できる数少ない知人の一人。でも、人の幸せとは何か、といった人生的な話題になると話はまるで噛み合わなくなる。物事を見る角度の違いだけでは説明できない、大きな溝がそこにある。二人で療護施設の知人に会いに行くことになったのも、その溝に小さくとも橋のようなものを架けることができやしないか、と、ぼくが提案したからだった。車は迷いつつも、目的地に向かっていた。助手席の彼もいっしょになって探す。「そこの交差点を右ではないか」と彼は言う。ぼくはハンドルを右に切る。二人が求めているものが同じだったら、いつか同じ場所にたどり着けるはず。療護施設での三人の会話は、おのずと深いものになった。意見が鋭く対立するようなことがなかったのは、それぞれ虚心坦懐に相手の意見に耳を傾けたからだと思う。橋が架かったかどうかは、今の時点ではわからない。施設からの帰り道、彼が話された、ツルゲーネフの小説の話が興味深かった。その話に込められたテーマがまさに、その懸け橋のように思えたのだったが。

家に帰り、ヨッパライ某をさそって遅い昼食に出かけた。山の向こうのソバ屋で、ヨッパライ某はソバを、ぼくはうどんを注文した。いつも思うのだけど、ここの味付けは濃すぎる。帰りに海に寄った。冷たい雨が降り、風もあった。傘を飛ばされないようにしながら写真を撮った

なんとなく魚フライ

160111_02 冷たい雨が降っている。仕事のある日はどうでもいいのだけど、休日に雨が降ると憂鬱だ。ヨッパライ某が、ラーメンでも食べに行こう、というので、ラーメン屋がある西のほうに車を走らせた160111_01 雨がフロントグラスを濡らす。景色がゆがみ、ワイパーがそれをぬぐう。むかし見た映画にそんな場面があった。よく思い出せないが暗い結末だった。ラーメンはやめて、海の横の食堂で魚フライを食べよう、と、ぼくは言った160111_03 海は思いがけず穏やかだった。ぼくの気持ちもそうだといいのに

A LONG VACATION 8日目

160104_02 天気が良かったので北に走った。海の傍らにある小さな無人駅の向こうに、きれいな砂浜がある160104_03学生の頃、ぼくらはこの小さな砂浜に時々遊びに来た。夏はキャンプもした。ぼくらはこの砂浜に勝手な名前を付けて共有していた160104_04  160104_01井戸の跡。無人駅と砂浜の中間にある160104_06井戸にはネットが被せられ、往年の面影を偲ぶことは難しい

8ミリフィルムで撮ったこの井戸。当時は屋根まであった。道は砂浜に続いている

160104_05海側から見た井戸

A LONG VACATION 6日目

160102_01 正月くらいは高い方のスシを食ってもいいんじゃないか、ということで漁港近くのすし屋に出かけた160102_05 いつも食べている安い方のスシには入っていない、イクラとウニが高い方のスシには入っているのです。うふ (STEREOカメラで撮ったので立体視できる人には飛び出して見えます かも)160102_02 今日の目的は、高い方のスシと、廃墟化している某アミューズメントパークを見に行くこと160102_06銀河スライダー。10年前はこんな感じでした160102_03 帰りに近くの海に寄ってみた160102_04 波打ち際に立って海を見ていたら雨が降り出した

夜の植物園

151207_01 雨が上がったので、あの植物園に出かけてみた151207_03 夜に何かイベントがあるというので、いったん、園を出て、近くの海辺の公園に行った。ちょうど日が沈むところだった151207_02 振り返るとそこにはぼくの影があった。例によって、きわだって足の長いぼくの影が151207_04 みるみる太陽は沈んでいった151207_05 空がまだ明るかったので、灯台を見に行った151207_06 夜の植物園

151207_07 テーマは宇宙旅行だそうだ151207_08 宇宙服の人に出会った151207_09 宇宙は青かった151207_10

reflections

151130_01そばを食べた帰りに公園に寄った151130_03 公園はいつもの公園だったけれど、朝読んだ小説のせいで、いつもと違って見えた151130_04 いい本をもっと読もうと思う。本はたくさんあるけれど、読んだ後、世界が変化してしまう本が、ぼくにとっていい本151130_05