桜の木の下で

休日は目覚ましが鳴らない。目覚ましが鳴らないといつまでも眠り続けるかもしれない。そこでぼくは目覚ましを20年後にセットする。ぼくが目ざめるとき、まわりの人は20才年をとっているのだ。愉快なようで悲しい話だ。しかし今日は自然に目が覚めてしまった。時計は9時前を指していた

朝は頭の中に霧が立ち込めているので、家人が、なにか問いかけても答えることができない。人の声がトンネルみたいに反響して聞こえる。どこかで花が咲いてるから見に行こう、行こう、行こう(←エコーをかけて読んで下さい)と言っているらしい

その花とは、シャクナゲ、だった。南の海辺にある植物園で咲いている、と新聞に書いてあったという。そんなわけで海沿いの道路を南に向かって飛ばしていたら、あちこちの民家から眩いほど鮮やかな黄色い花が派手に吹き出していた。まるで夜の歓楽街のネオンのように

植物園で黄色い花を飽きるほど眺め、ふと時計を見るともう2時前だった。イタリアレストランで昼食にするつもりだったが、時間がない。仕方がないので、海の近くの道の駅で海鮮丼を食べよう、ということになった。しかし同伴者は、なぜかラーメンを注文。ぼくにはピンとこない選択だったが、あっさりしていて、なかなかおいしかったという

帰りに、海を見下ろせる山のカフェに寄り、ケーキセットを注文した。正面にあの灰色の粉をまき散らす火山が見える。今日は大人しく白い煙を吐いていた

風がそよと吹くたびに、桜の花びらがはらはらと散っていく。額縁に入れて飾っておきたくなる風雅な風景だ

さくらがまんかい

海の近くの山で桜が満開になった、というので行ってみた。月曜日だというのに、やたら人が集まっていた。みんな仕事はどうしたんだ

持参した8mmカメラで撮ってみました。みたいな

むかし飛行場の基地があったところにも寄ってみた。桜のトンネルの向こうにゼロ戦がとまっていた

うちの庭にもこんなふうに桜を植えてみたいけど、手入れが大変そうなのでやめた

雨の日の桜

「拝啓、早いものであれから5年が経ちました。どうぞお越しください」というはがきが届いた。せっかくの休日だけど早起きし、雨で渋滞する道路を南に走った。10分前に到着したが、すでに行列ができていた。5年前は30分で帰ることができたのに・・・ 一昨年、茶畑の広がる山の中でツートンカラーの高級車に捕まってしまったために、今日は丸1時間、身も凍るシリアスなドラマ付きの講義を受けることになってしまった。いや、ほんとに怖いドラマだった

ぼくは怖い映画やドラマは見ないようにしている。怖いシーンが脳裏に焼き付いて、夜ごと夢に出てくるから。例えば、ジョーズという映画を見てからというもの、ぼくは夢の中で何度もサメに食べられてしまった。魚は食べるものなのに

というわけで気分転換を図るべく、漁港近くの食堂に走り、いつものように安い方の寿司を食べた。ここの寿司は安いけどうまい。帰りに、いつも魚を買うマーケットの前を走ってみた。閉店したらしい、という噂を聞いたから。でも、営業している様子だった。ほっとした。写真は雨に煙るウワバミ島と波平島←ぼくが勝手に命名

山の上の公園に寄って、あの山桜の写真を撮った。もう散り始めていた

雨の日の桜には独特の色気がある。と思う

スマホのカメラも戦列に加えることにした。でもデータを取り込むのにいちいちストレージを抜き差ししたり、ケーブルをつないだりするのはめんどう。かといってクラウド経由で取り込むのにはいささか抵抗がある(古い奴だとお思いでしょうが)。というわけでFTPサーバーアプリをスマホに入れ、wifi経由でデータをやり取りすることにした。ちなみに199円

パソコン側でFTPソフトを立ち上げ、ドラッグ&ドロップで転送。らくちん

今夜はニラがたくさん入った餃子。餃子は手作りに限りますなあ

梅干しは売ってなかった

あそこの梅が満開だというので行ってみた

今年は半月ほど開花が遅れたらしい。花にだって人に言えない事情がある

ここの梅は地面を這うように広がっている。引力が強いせいかもしれない

無理に上に伸びようとすると、こんな風にねじ曲がってしまう

昼食はいつものように海の近くの店でふつうの定食を注文した。すると、注文した覚えのない立派なものが運ばれてきてチョーあせったのだけど、「たくさん獲れたので、これはオマケ」とのことだった

いつもの場所に行って、海を見ながらコーヒーを飲んだ

春だったね

ターンテーブルの上をレコード盤がくるくる回っている。その縁にそっと針をおろすと、スピーカーからすてきな音楽が流れはじめる

地球が太陽の周りをくるくる回っている。ぼくはそこに、そっと針をおろす

耳を澄ますと、あちこちから春の音楽が聞こえてくる

よろしかったら、こちらにお掛けになりませんか

というわけで、今日もやっぱりB定食。A定食は300円高いのです。

だれかに見られてる気がするのは自意識過剰のせい?

ネジ式

時々ネジを巻かないと動けなくなる。そう思い込んでいるからそうなるのかもしれない。でも、寒い日が続いた後など、ブリキのおもちゃみたいに動けなくなって途方に暮れてしまう。ぼくはたいてい、月曜日にネジを巻く。しかし問題は、自分の力ではネジを巻けない、ということ。やさしい人の言葉、波の音、熱いコーヒー、遠くから吹いてくる風、魚フライ、そんなものが気ままにぼくのネジを巻く

ラーメンを食べて雪が舞う海をみた

あのベンチで海を見てみたい、という人がいたので、あのベンチに向かって車を走らせた。ベンチには誰もいなかった。海から雪混じりの冷たい風が吹いていた。ベンチでしばらくガタガタ震えた後、その人は車に戻って行った

今年初めて食べるラーメン。期間限定、まぐろ台湾らーめん

海の見える丘

風もなく、穏やかに晴れていた。コーヒーをポットに詰めて南に走った。南シナ海が見える丘に上り、草原に寝そべってコーヒーを飲みながら日向ぼっこをしよう、という計画だった。しかし、南に来たのに、山道はかなり雪が積もっていて危ない感じだったし、草原も融けた雪で濡れていた

海に面したレストランで昼食にした

テーブルに敷かれた紙の文字を指し、「海の中には母がいる。そして母の中に海がある」という誰かの詩をヨッパライ某に紹介したところ、珍しくずいぶん興味を示してくれた

空が青い。いつまでも見ていたら、目が青く染まりそうなくらい

美術館の屋上でコーヒーを飲んだ

峠で運転を代わり、山道を歩いて帰った

A LONG VACATION 6日目

天気が良かったので、ベッドシーツと布団カバーをはがして洗濯した。朝日を浴びながら洗濯物を干していると、なんだか幸せな気分になった。店の大掃除が午前中で終了したので、ドライブに出かけた

あの日、ぼくと家族はこの堤防に座って海を見つめていた。だれも口をきかなかった。あれから18年経った

数組の家族が凧を上げていた。ぼくもその中の一人だったころがある。遠いむかしのことだ

いつものハーブ園で遅い昼食にした。デザートはハイビスカスシャーベット。客はぼく一人だった

日が沈むころ、海に寄ってみた。どういうわけか若いカップルがたくさんいて、遊歩道沿いの「幸せの鐘」を楽しそうに打ち鳴らしていた